大学発ベンチャーの黒字は6割―帝国データバンク
大学発ベンチャーはもうかるの?――帝国データバンクが、大学発ベンチャー858社を対象に経営状態などを調べた結果、2015年の売上高別で「1億〜10億円未満」が46.1%を占め最多、売上高10億円未満の合計は全体の9割以上を占めたことがわかった。
【こちらも】大学発ベンチャーが好調、日本をイノベーション
大学発ベンチャー企業とは、大学の研究成果や特許を基に設立された企業などを指す。業種別に見ると、最も多かったのはソフトウェアや医療関連など「サービス業」の411社(構成比47.9%)で、以下「製造業」(292社、同34.0%)、「卸売業」(120 社、同14.0%)が続き、この3業種で全体の9割以上を占めた。
大学別に見ると、トップは東京大学の93社。東北大学43社、大阪大学42社と続き、上位11校中、私立大学は9位の慶應義塾大学(26社)だけだった。
15年の業績で最も売上高が多かったのは「5,000万〜1億円未満」の37社(46.1%)。以下「1億〜10億円未満」(31.8%)、「5,000 万円未満」(17.7%)と続き、売上高10億円未満の企業が全体の9割以上を占めるなど、経営規模が小規模にとどまる企業が多かった。
858社のうち、15年の収益が判明した510社の損益は298社(58.4%)が黒字だった。一方、「5年未満」(47社)の企業は 61.7%が赤字となり、全体の赤字(41.6%)より20.1ポイント高かった。
帝国データバンクでは「今後強い大学発ベンチャーの創出を促進するには、政府や自治体による資金面での支援や、行政・大学側の継続的な経営支援などの支援策が求められる」としている。