地震の被害(読者提供)

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 20日午前10時53分ごろ、九州地方で強い地震があり、福岡市東区、中央区、福岡県前原市、佐賀県みやき町で震度6弱を観測した。気象庁によると、震源地は福岡県西方沖で、震源の深さは9キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7.0と推定される。

 気象庁は日本海沿岸と壱岐(いき)・対馬地方に津波注意報を発令したが、正午に解除。津波による被害はなかった。午後3時までに震度1以上を観測した余震は60回あり、うち震度3は3回、震度2は23回だった。

 福岡県内の被害は、県警や県災害対策本部などによると午後6時20分現在、死者1人、負傷者107人(うち重傷15人)。亡くなったのは博多区の75歳の女性(75)で、崩れたブロック塀の下敷きになった。家屋の被害は半壊52棟、一部損壊45棟で、全壊の具体的な数は把握できていない。公民館などへの避難は1092人に上り、うち1056人が福岡市内という。同市によると、西区の沖合の玄界島では全壊した家屋は20棟以上、半壊は多数。足の骨を折る重傷の70歳の女性ら計7人がけがで搬送された。同市の要請を受け、麻生渡知事は午後0時40分、自衛隊に災害派遣を要請した。

 また佐賀県内の被害は同県対策本部によると午後6時現在、負傷者は10人でいずれも軽傷。家屋の被害は半壊1棟、一部損壊26棟。避難の報告は入っていない。

 電力は、九州電力によると午後1時15分に高圧配電線の復旧をすべて完了した。家庭への電線の被害状況については、詳細は不明。発電所は平常通り運転している。

 ガスは、西部ガスが午後4時15分にまとめた情報によると、福岡地区で100件ほど、北九州地区で3件のガス漏れがあった。現在、復旧作業にあたっている。

 水道は、福岡市水道局によると午後6時までに、201件の連絡が市民から寄せられた。内訳は家屋内の漏水が121件、道路上の漏水が65件、水の出が悪くなったところが15件。市内では大きな断水などは発生していないが、共同住宅など各戸別に被害が出ている。水道局では職員が出向いて対応するほか、業者の紹介などに追われている。

 また佐賀市水道局によると、家屋内の被害報告が14件あったが、水道本管の破裂などの大きな被害はなかった。

 電話は、NTT西日本によると、午後3時30分までにつながりにくい状態は解消した。【了】

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