NHK受信料めぐる判決に不満の声

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NHKの受信料をめぐる判決に、視聴者から「納得できない」という不満の声が上がっている。堺簡易裁判所が受信契約に応じていなくても、NHKが契約締結を求めてから2週間がたてば「契約が成立しているというべきだ」という判断を示したからだ。

ネットでは「こんな一方的な契約聞いた事ない」と反発が広がっている。

同様の判決は各地でも

2015年6月26日、NHKが受信契約に応じない世帯に対し、契約締結と受信料の支払いを求めていた裁判で、堺簡裁は、

「受信契約に応じない場合でもNHKが契約締結を求めて2週間たてば契約が成立しているというべきだ」

という判断を示した。NHKによると、テレビの設置が確認された後の05年6月から15年3月までの受信料27万円あまりの支払いを命じたという。

この判決を受け、ツイッターなどネットには「こんな一方的な契約聞いた事ない」という声が上がる。

「2週間後に勝手に契約成立とかどういう事なの?」
「押し売りよりひどい」
「こんな一方的で高圧的な契約は無効だ」

と不満が相次いだ。

実は同様の判決はすでに各地の裁判所でも言い渡されている。東京高裁は13年10月、受信者が拒んだとしても通知から2週間がたてば契約は成立する、との判断を示し、神奈川県内の世帯にテレビを設置した日にさかのぼって受信料の支払いを命じた。

札幌簡裁では15年6月、道内の未契約世帯に対し、契約締結と未払い受信料の支払いを命じる判決をしている。

「双方の意思がなければ受信契約は成立しない」という判断も

たしかに放送法は「協会(編注:NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」(第64条1項)と定めている。NHKもこの条文を受信料支払いの法的根拠の1つにしている。

とはいえ裁判所の判断も必ずしも一致している訳ではない。東京高裁の別の裁判長は13年11月、「NHKからの契約申し込みと、受信者による承諾という双方の意思がなければ受信契約は成立しない」という判断を示した。契約を結ぶ義務があることは否定せず、受信料の支払いを命じてはいるが、同年10月の裁判とは判断が分かれた形だ。現時点で最高裁はこの問題で判断を示していない。

なお、NHKが6月23日に発表した14年度決算で、受信料は過去最高の6493億円だった。支払い率は前年から2ポイント増の76%になった。