NASA、地球外生命の発見は20年以内と予告。「探すべき場所は分かっている」

写真拡大

 
NASAの科学者が、ワシントンD.C.で開催された討論会において、地球外生命体は20年以内に見つかるだろうと語りました。さらに向こう10年以内には極めて強い生命の兆候が発見されるはずだとしています。NASAのチーフサイエンティストを務めるエレン・ストファンは討論会で「まず10年以内には地球外生命の強い兆候が認められると思う。そして今から20年か30年以内には、生命の決定的な証拠を発見できると信じている」と語りました。出席している他のパネリストもこの意見に賛成し、太陽系物理学者のジェフリー・ニューマークは「地球外生命の発見は『もしも』ではなく『いつ』の段階に入っている」と話しています。

こう聞くとすぐにでも宇宙人が見つかるのかと思ってしまいますが、ここで言う地球外生命とは眼に見えないほどの微生物レベルの話。灰色の肌に吊り上がった大きな眼をした小さな人型生命体や、緑色で巨大な頭をした宇宙人の居場所を突き止めたわけではありません。

ここしばらく太陽系内の天体、たとえば準惑星ケレスや木星の周りを回る衛星エウロパでは水の存在が確認されています。また3月には東大を含む国際チームが土星の衛星エンケラドスに「温かい水」の存在を確認。火星でも探査ローバーのキュリオシティが生命の存在の裏付けとなりうる窒素化合物を発見するなど、すでにどこかに生命が存在してもおかしくない証拠は揃いつつありました。

討論会でエレン・ストファンは、「どこを、どうやって探せば見つかるかもすでに見当はついている」と自信満々に語っています。文明を持つような宇宙人はともかく、地球外で生まれた生命体を目にする日は、私たちが考えるよりもはるかに早くやって来るかもしれません。

ちなみに昨年7月14日にワシントンD.C.で行われた討論会でも、NASAの惑星科学者 ケビン・ハンド が「20年以内に地球外生命体が見つかるだろう」と発言していました。またこのときは宇宙望遠鏡科学研究所のマット・マウンテン所長が「そのためには次世代の高性能宇宙望遠鏡が必要になるだろう」と意見を述べています。NASA は2018年にジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げを計画しています。

下は討論会の様子。地球外生命の話は26分55秒ごろから。