懐かしせんべい「雪の宿」がいま、若者に人気!

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昔、祖母や、近所のおばあさんたちが度々くれた、あまじょっぱいおせんべい「雪の宿」。
自分にとっては「懐かしいおばあちゃんの味」なのだが、実はいま、若い人や子どもにも人気と聞く。

しかも、いつの間にか「抹茶ミルク味」「カスタード味」、期間限定で「苺ミルク味(あまおう)」や、五角形と「合格」をかけている「花咲け開運雪の宿」「特濃」、地域限定やコンビニ限定の「ミルクかりんとう」など、新展開も続々あるよう。

なかでも、定番になっている「黒糖みるく」はだいぶ前から「別格」らしく、2006年にはすでに某ネット掲示板で独立したスレッドが立ち、「黒糖ミルク、旨すぎて2日で一袋空けてしまった 泣きたい」「一日で一袋空けてしまった自分は……」「んなの普通だろ」なんてやりとりがされていた。

「雪の宿」、いつからこんなに攻めてるのか。三幸製菓に聞いた。

「味違いを出したのは、2013年4月中旬の“雪の宿 抹茶ミルク味”です。これは、2012年の『大好き! 雪の宿キャンペーン』において、食べたい雪の宿の味で堂々の1位を獲得したことで、発売となりました」(営業本部)
ちなみに、過去には「さわやかレモン味」「南国マンゴー味」「梅味」「栗&ミルククリーム」「ラムネ味」なんてものもあったよう。

若い人に人気となったきっかけについては、こう語る。
「2014年3月〜4月にかけて雪の宿公式キャラクターを募集したところ、約2,500通集まりました。その結果“ホワミル”という公式キャラクターが、2014年8月10日(宿の日)に誕生しました。現在はFacebookの投稿の中などで活躍しており、若年層の間で人気を得ています」

また、コンビニでも“特濃雪の宿”という商品を発売。12月8日からは“濃厚雪の宿はちみつりんご味”の発売も行っている。
先述の「黒糖みるく」に関しては、特に女性人気が高い商品らしく、「メインターゲットの女性に向けてパッケージにはハートマークをあしらっております」と言う。

ところで、この「雪の宿」が誕生したのは、1977年。発売当初は米菓で蜜がけした商品は醤油せんべいが中心で、塩味のサラダせんべいに蜜がけした商品はなく珍しい存在だった。
というのも、油分の多いサラダせんべいに砂糖蜜を付着させるのは技術的に難しかったから。そこで、当時の開発担当者が地元・新潟の老舗のケーキ屋さんで修行し、おせんべいと生クリームを美味しく食べるための技術等を研究し、苦労末に誕生したのが塩味+マイルドな砂糖蜜の「雪の宿」だったという。

ちなみにかかっている砂糖蜜は、北海道生クリームと、濃厚ミルククリームのWクリーム。それを引き立てているのが、ほどよい塩加減のおせんべいなのだ。

雪の宿の魅力を子どもたちに聞くと、「甘さがしょっぱいのと合う」「しつこくなくて軽い甘さ」などの声があった。実は、口に入れるときに、白い面を上にするか下にするかで、味の感じ方も微妙に違うという楽しみもある。

近年、「塩スイーツ」なるものが広がりを見せ定番になってきているが、思えば1977年に生まれた「雪の宿」は、そうした塩スイーツの先駆者なのかも?
(田幸和歌子)