成功していないのに成功本を書く 自己啓発のトホホな裏側
新しい年になったことだし、今年は目標を決めてがんばる年にしよう。
そう意気込んでいる人は多いはず。
しかし、この意気込みはなかなか長続きしません。どうしたら目標を達成するまでがんばることができる人になれるのでしょうか。
『5分の使い方で人生は変わる』(小山竜央/著、角川フォレスタ/刊)は、忙しい毎日の中の5分という短い時間を使って自分を変える方法を教えてくれる、今までになかったビジネス書です。
今回は著者の小山さんにインタビュー。この本を書いた動機や、自分を変える秘訣を教えていただきました。
―小山さんの著書『5分の使い方で人生は変わる』についてお話を伺えればと思います。まずはこの本を書いた動機の部分について教えていただけますか?
小山:今はセミナー講師をやったり、人に教える仕事をしているのですが、元々はそういった自己啓発セミナーのプロモートをする側だったんですよ。
その時に海外のものも含めて様々な自己啓発セミナーや自己啓発書に触れたのですが、その過程で、同じように成功哲学を学んだ人でも、「うまくいく人」と「うまくいかない人」に分かれてしまうことに気がついたんです。
これは一体なぜなんだろうと考えた時に、そもそも「自己啓発」そのものが重たくて、何かを間違えているんじゃないかと思ったのがこの本を書いたきっかけです。
古くから自己啓発の名著と呼ばれる本がありますけど、今はパソコンが普及してインターネットが全盛です。ネットを使って自分をアピールしていくことも簡単になりました。そんな時代にこれらの本にあるような「モチベーションを上げよう」とか「目標設定をしましょう」というのは、正直時代に合わないんじゃないか。
じゃあどうするか、というのをまとめたのが今回の本なんです。
―今必要とされる自己啓発というのは昔のそれとは違う。
小山:本質的には同じだと思うんですけど、そこに行き着くまでの入り方というか入り口の部分はやはり今と昔では違うと思いますね。
たとえば、「成功哲学の祖」と呼ばれるナポレオン・ヒルという人がいますけど、彼が生きていたのは南北戦争が終わった後の工業化の時代です。そんな時代に書かれた本をネット社会に生きる人が読んでも、本質の部分に辿りつくまでに挫折してしまう。今回の部分は、その本質に行くまでの導入部分を補うものです。
だから、いかにストレスなく物事を継続し、習慣化していくか、という何をするにしても基本になることをまとめました。
―今のお話と少し関係しますけども、この本で小山さんはよく書店で見かけるような「成功法則」を扱った自己啓発書をかなり否定的に書かれています。この理由はどんなところにあるのでしょうか。
小山:さっきお話したようなプロモーターの経験から、自己啓発の裏側を知っていることが大きいです。
これは、本にも少し書いたのですが、自己啓発とか成功法則の本の著者はちゃんと成功しているのかというと、長く成功し続けている人は少ないんです。『「週4時間」だけ働く。』という有名な自己啓発書がありますけど、この著者は週に4時間だけ働くということをやった結果会社が倒産寸前までいってしまったという話もあるくらいで。
―うまくいっていないのに、本では「こうすればうまくいく」と書いている。
小山:そういう本もありますね。短期的なものでもいいから成功したいというのであればいいのかもしれませんが、長期的に成功し続けると考えると、今の自己啓発や成功法則本には疑問が残ります。
今回の本でそういった本を否定的に書いているのはその部分が大きいです。かといってナポレオン・ヒルのような昔からの名著は重たい(笑)。
―ちょうどいい本がないということで、この本を書かれたということですね。
小山:そうですね。
―では、「成功したい」と思っている人はどのように本選びをしていけばいいのでしょうか。この本以外でおすすめの本がありましたら教えていただければと思います。
小山:少し漠然としていますが「おもしろそうな本」「役立ちそうな本」ではなく「必要な本」を選ぶということですね。
同じサラリーマンでも、部長、課長、平社員すべて必要な本は違うでしょうし、向上心があるのかないのかでも必要な本は変わってきます。睡眠不足で悩んでいる人が睡眠についての本を買うように、自分に必要なものは何かを見極めて本を選ぶことが大事だと思います。
また、「この人みたいになりたいな」と憧れている人が薦めている本を読むのもいいと思います。そうすると思考パターンがその人と似てくるのでおすすめです。
―本書では、「1日5分」というごく短い時間で自分を変えていく方法が明かされています。この「5分」にはどんな意味があるのでしょうか。
小山:正直に言うと「5」という数字には特に意味がありません。個人的には自分を変えるのには5分もいらない、1分でいいと思っています。
―確かに、それくらいの時間でできることが書かれていますね。
小山:5分というと電車で一駅か二駅くらいの時間ですけど、その一区切りでできることはたくさんあるし、結果を変えられることもたくさんありますよ、というのがテーマです。
今の人はみんな時間がないし忙しいと思いますが、5分という短い時間をうまく使うことでいくらでも日常は変えられるんです。
もっといえば、「5分を積み重ねよう」と思う必要もありません。3日間だけ続けてみてください。そうすれば慣れてきてその先も続けられるようになるはずです」
(後編につづく)
そう意気込んでいる人は多いはず。
しかし、この意気込みはなかなか長続きしません。どうしたら目標を達成するまでがんばることができる人になれるのでしょうか。
『5分の使い方で人生は変わる』(小山竜央/著、角川フォレスタ/刊)は、忙しい毎日の中の5分という短い時間を使って自分を変える方法を教えてくれる、今までになかったビジネス書です。
今回は著者の小山さんにインタビュー。この本を書いた動機や、自分を変える秘訣を教えていただきました。
小山:今はセミナー講師をやったり、人に教える仕事をしているのですが、元々はそういった自己啓発セミナーのプロモートをする側だったんですよ。
その時に海外のものも含めて様々な自己啓発セミナーや自己啓発書に触れたのですが、その過程で、同じように成功哲学を学んだ人でも、「うまくいく人」と「うまくいかない人」に分かれてしまうことに気がついたんです。
これは一体なぜなんだろうと考えた時に、そもそも「自己啓発」そのものが重たくて、何かを間違えているんじゃないかと思ったのがこの本を書いたきっかけです。
古くから自己啓発の名著と呼ばれる本がありますけど、今はパソコンが普及してインターネットが全盛です。ネットを使って自分をアピールしていくことも簡単になりました。そんな時代にこれらの本にあるような「モチベーションを上げよう」とか「目標設定をしましょう」というのは、正直時代に合わないんじゃないか。
じゃあどうするか、というのをまとめたのが今回の本なんです。
―今必要とされる自己啓発というのは昔のそれとは違う。
小山:本質的には同じだと思うんですけど、そこに行き着くまでの入り方というか入り口の部分はやはり今と昔では違うと思いますね。
たとえば、「成功哲学の祖」と呼ばれるナポレオン・ヒルという人がいますけど、彼が生きていたのは南北戦争が終わった後の工業化の時代です。そんな時代に書かれた本をネット社会に生きる人が読んでも、本質の部分に辿りつくまでに挫折してしまう。今回の部分は、その本質に行くまでの導入部分を補うものです。
だから、いかにストレスなく物事を継続し、習慣化していくか、という何をするにしても基本になることをまとめました。
―今のお話と少し関係しますけども、この本で小山さんはよく書店で見かけるような「成功法則」を扱った自己啓発書をかなり否定的に書かれています。この理由はどんなところにあるのでしょうか。
小山:さっきお話したようなプロモーターの経験から、自己啓発の裏側を知っていることが大きいです。
これは、本にも少し書いたのですが、自己啓発とか成功法則の本の著者はちゃんと成功しているのかというと、長く成功し続けている人は少ないんです。『「週4時間」だけ働く。』という有名な自己啓発書がありますけど、この著者は週に4時間だけ働くということをやった結果会社が倒産寸前までいってしまったという話もあるくらいで。
―うまくいっていないのに、本では「こうすればうまくいく」と書いている。
小山:そういう本もありますね。短期的なものでもいいから成功したいというのであればいいのかもしれませんが、長期的に成功し続けると考えると、今の自己啓発や成功法則本には疑問が残ります。
今回の本でそういった本を否定的に書いているのはその部分が大きいです。かといってナポレオン・ヒルのような昔からの名著は重たい(笑)。
―ちょうどいい本がないということで、この本を書かれたということですね。
小山:そうですね。
―では、「成功したい」と思っている人はどのように本選びをしていけばいいのでしょうか。この本以外でおすすめの本がありましたら教えていただければと思います。
小山:少し漠然としていますが「おもしろそうな本」「役立ちそうな本」ではなく「必要な本」を選ぶということですね。
同じサラリーマンでも、部長、課長、平社員すべて必要な本は違うでしょうし、向上心があるのかないのかでも必要な本は変わってきます。睡眠不足で悩んでいる人が睡眠についての本を買うように、自分に必要なものは何かを見極めて本を選ぶことが大事だと思います。
また、「この人みたいになりたいな」と憧れている人が薦めている本を読むのもいいと思います。そうすると思考パターンがその人と似てくるのでおすすめです。
―本書では、「1日5分」というごく短い時間で自分を変えていく方法が明かされています。この「5分」にはどんな意味があるのでしょうか。
小山:正直に言うと「5」という数字には特に意味がありません。個人的には自分を変えるのには5分もいらない、1分でいいと思っています。
―確かに、それくらいの時間でできることが書かれていますね。
小山:5分というと電車で一駅か二駅くらいの時間ですけど、その一区切りでできることはたくさんあるし、結果を変えられることもたくさんありますよ、というのがテーマです。
今の人はみんな時間がないし忙しいと思いますが、5分という短い時間をうまく使うことでいくらでも日常は変えられるんです。
もっといえば、「5分を積み重ねよう」と思う必要もありません。3日間だけ続けてみてください。そうすれば慣れてきてその先も続けられるようになるはずです」
(後編につづく)