人を評価する時につきまとう「偏見」とは?

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 「時間がない」「お金がない」などなど、私たちは様々な理由で「やりたいこと」や「やるべきこと」を諦めてしまいます。
 しかし、これらの理由はすべて自分次第で乗り越えられます。
 『京大アメフト部出身、オールジャパン4度選出の組織変革コンサルタントが見つけた 仕事でもスポーツでも成長し続ける人の「壁をうち破る方法」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)は、何かに挑戦する人の前に立ちはだかる「壁」の種類とその乗り越え方を教えてくれます。
 今回は著者でコンサルタントの安澤武郎さんにインタビュー。この本を書いた背景についてお話をうかがいました。その後編をお届けします。

―「常識の壁」についての章もすごく印象的でした。会社で働いていると知らず知らずのうちに囚われてしまう常識にはどんなものがありますか?

安澤:よくあるのは、人の評価や商品の評価についてのレッテルですね。会社の中で見せている一面だけで判断して“あの人はこんな人だ”と決めつけてしまうのは、組織にとってマイナスになる可能性があります。
仕事は仕事で、プライベートに踏み込んじゃいけないという雰囲気の会社もあると思うんですけど、いい関係が築けているのならプライベートに踏み込んでもいいと思います。仕事という一面だけでなく「人生の中の仕事」という位置づけで人を見ていくのが大事なのではないでしょうか。

―本書を読んで、目標を諦めずに追い続けることの大切さが、メッセージとして込められているように感じました。ただ、仕事に限らず目標というものは必ずしも達成できるわけではありません。そうなると、諦め時を見極めることも大事なのではないかと思うのですが、安澤さんは目標をどこまで追うかということについてはどうお考えですか?

安澤:まず、目標を決める時は必ず期限も一緒に決めます。その期限までは諦めずにやりましょうということですね。
これは仕事の目標ではなくても同じで、どんなことでも目標は期限と一緒に設定するべきです。その期限までは諦めずにやって、その時がきたら次の判断をすればいいわけです。

―安澤さんは京都大学を卒業後、設計会社を経て独立し、今はコンサルタントとして活躍しています。社会人としてかなりキャリアを詰んでこられていますが、今でもまだ「壁」にぶつかることもあるのでしょうか。

安澤:ぶつかってばかりです。新しいことをやろうとすると壁は常に出てくるわけですから。
でも、それはあって当たり前なんですよ。たとえば企業に勤めていれば段々と役職が上がっていきますけど、これまでの仕事のやり方では通用しないということはよくあります。だから、そのたびに新しい自分の仕事のスタイルを作っていかなければいけないわけですけど、これだって「壁」に突き当って、それを乗り越えるということなんです。

―この本をどんな方に読んでほしいとお考えですか?

安澤:20代から30代前半の方であれば、今ぶちあがっている壁を破るヒントになると思いますし、その上のマネジャークラスの方には、どんな視点で部下を指導していけばいいかという参考になると思います。
その意味では幅広い層の人に役立てていただける本になったと思っています。
あとは、挫折を経験したことがないという人にも読んでいただきたいです。本気で生きて、本気で仕事をしていれば挫折はどこかでするものです。これまで挫折がなかったというのはたまたま幸運だっただけかもしれないし、チャレンジしてこなかったからかもしれません。やっぱりどんどんチャレンジをしてほしいので、この本を片手に「壁の乗り越え方」を使いながら、何かに挑戦してみてほしいですね。

―最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いできればと思います。

安澤:チャンスは貯金のように貯めておくことはできません。だから目の前にチャンスだと思えることがあったら、挑戦できるよう準備をしておくのです。やってみた方がいいと思います。
チャレンジというのは怖いものですけど、成功させるために必死に考えて行動することになりますから、濃密な時間を過ごし成長することができます。その結果、多少失敗したとしても、今の日本ではそうそう食いっぱぐれることはありませんし、その失敗は次に必ず生きるはずですから、ぜひみなさん挑戦をしてほしいなと思いますね。その過程で壁に突き当ったらこの本を読み返してみてほしいと思います。

(新刊JP編集部)