嫌いな上司とどのように付き合うか?
「時間がない」「お金がない」などなど、私たちは様々な理由で「やりたいこと」や「やるべきこと」を諦めてしまいます。
しかし、これらの理由はすべて自分次第で乗り越えられます。
『京大アメフト部出身、オールジャパン4度選出の組織変革コンサルタントが見つけた 仕事でもスポーツでも成長し続ける人の「壁をうち破る方法」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)は、何かに挑戦する人の前に立ちはだかる「壁」の種類とその乗り越え方を教えてくれます。
今回は著者でコンサルタントの安澤武郎さんにインタビュー。この本を書いた背景についてお話をうかがいました。
―今回、安澤さんが出版された『京大アメフト部出身、オールジャパン4度選出の組織変革コンサルタントが見つけた 仕事でもスポーツでも成長し続ける人の「壁をうち破る方法」』についてお話をうかがえればと思います。本書の中で安澤さんは「仕事」を「試合」にたとえていますが、まずはこの真意から教えていただけますか。
安澤:仕事とスポーツには共通点が多いということですね。中途半端に取り組んでいるとさして楽しくないし、勝った時の喜びも少ないのですが、本気で取り組めば辛いことも多い分、本当に大きな喜びと充実感を感じることができる。そして本気になればなるほど失敗が怖くなったり、負けることが怖くなったりしますけど、本当の楽しさはそれを乗り越えた先にある。そういったところが仕事とスポーツの試合の共通点だと思っています。
―京大といえばアメフトの名門として知られていますが、新入部員のほとんどはアメフト経験がないそうですね。その状態から4年間で日本一を目指すために、どんな工夫がされているのでしょうか。
安澤:流れとしては、まずは人を集めて、育てて、試合で力を発揮させるわけですが、スポーツ推薦のない大学なので、入り口の「人を集める」というところで苦労していました。
まずはアメフトの楽しさを知ってもらわないといけませんから、受験で受かって入学してきた学生の中で体の大きな人には片っ端から声をかけてグラウンドに来てもらって、まずは防具をつけて動いてみよう、ということをやっていましたね。あとは、トレーニングを自由にできる施設がありましたから、そこでトレーニングをさせてみて、自分の成長を実感してもらう。
自分の成長を感じられると、人って楽しくなってくるものなので、そうやって最初に楽しさを体感させるための工夫をしていました。
―今おっしゃっていたように、京都大学にはスポーツ推薦がないということで、学生はみな一般受験で入ってくるわけですが、身体能力や運動センスの面ではやはりスポーツ推薦制度のある他大学の選手には敵わないのでしょうか。
安澤:ちょっと敵わないですね。体の大きさからして違いますし。
―そういった、運動の素質に優れた選手が揃った大学と渡り合っていくために、京都大学アメフト部ではどんな取り組みがされていたのでしょうか。
安澤「その人の特性に合ったポジションを見つけ、強みを伸ばすことだと思います。
体は大きくないけど足が速い選手に向いたポジションがありますし、足は遅いけど体が大きい選手にやってほしいポジションもあります。極端な話ですが、これまであまりスポーツをやったことがない選手でもできるポジションもあるんです。だから、個人の特徴を最大限発揮すれば、身体能力に優れたチームとも勝負はできる。
そういう意味では、アメフトには未経験者や身体能力に劣る人が経験者に追いつきやすい競技ではあると思います。
―個人の適性を見極めて最適なポジションに配置するというのは、仕事とも共通しますね。
安澤:そうだと思います。
―本書では「常識」「アクション」「スキル」「仕事のやり方」など、仕事の前に立ちはだかる壁をどう乗り越えていくかが明かされています。特に多くの人が悩まされているのが「コミュニケーションの壁」だと思いますが、たとえば、仕事自体は好きで、もっとできるようになりたいが反りが合わない上司や同僚がいるために仕事に行くのが嫌、といった時はどのように解決していけばいいのでしょうか。
安澤:今のお話だけ聞くと、まず「仕事が好き」という時点で非常にラッキーな状態だということが言えます。
その状況でなかなか反りが合わない人がいる時にどうするかということですけども、「自分の理解者を一人作る」というのは有効です。上司でも同僚でも、あるいは社外の人だっていい。
それと、反りが合わないと思う人が、たとえば「厳しい上司」だった場合、後々考えてみると、そういう人の方が自分のことを思って言ってくれていたりします。自分の経験からしても、厳しく言われたその時はもちろん嫌ですけど、今思い返すとありがたいなと感じることも多いので、嫌な人がいるなら彼のいい所というか、その人の価値を探して、見つけるところからスタートするのがいいと思います。
その人の価値を認め出すと、接し方や態度が変わります。そうなると相手の態度も変わるはずですから。
―人間関係ということでいいますと、アメフトのお話に戻りますけども、部内で何か意見の対立があって選手同士が衝突するということはありましたか?
安澤:ありましたね。殴り合いのケンカになることはあまりなかったと思いますが。
ただ、衝突したからといって、その場で仲直りする必要はないんですよ。部の目標は試合で勝つことであって、そのためにそれぞれのポジションで役割を追及してチームに貢献していくわけです。その姿勢さえグラウンドで示せていれば、個々人が仲良しでなくても問題はないと思っています。
(後編につづく)
しかし、これらの理由はすべて自分次第で乗り越えられます。
『京大アメフト部出身、オールジャパン4度選出の組織変革コンサルタントが見つけた 仕事でもスポーツでも成長し続ける人の「壁をうち破る方法」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)は、何かに挑戦する人の前に立ちはだかる「壁」の種類とその乗り越え方を教えてくれます。
今回は著者でコンサルタントの安澤武郎さんにインタビュー。この本を書いた背景についてお話をうかがいました。
安澤:仕事とスポーツには共通点が多いということですね。中途半端に取り組んでいるとさして楽しくないし、勝った時の喜びも少ないのですが、本気で取り組めば辛いことも多い分、本当に大きな喜びと充実感を感じることができる。そして本気になればなるほど失敗が怖くなったり、負けることが怖くなったりしますけど、本当の楽しさはそれを乗り越えた先にある。そういったところが仕事とスポーツの試合の共通点だと思っています。
―京大といえばアメフトの名門として知られていますが、新入部員のほとんどはアメフト経験がないそうですね。その状態から4年間で日本一を目指すために、どんな工夫がされているのでしょうか。
安澤:流れとしては、まずは人を集めて、育てて、試合で力を発揮させるわけですが、スポーツ推薦のない大学なので、入り口の「人を集める」というところで苦労していました。
まずはアメフトの楽しさを知ってもらわないといけませんから、受験で受かって入学してきた学生の中で体の大きな人には片っ端から声をかけてグラウンドに来てもらって、まずは防具をつけて動いてみよう、ということをやっていましたね。あとは、トレーニングを自由にできる施設がありましたから、そこでトレーニングをさせてみて、自分の成長を実感してもらう。
自分の成長を感じられると、人って楽しくなってくるものなので、そうやって最初に楽しさを体感させるための工夫をしていました。
―今おっしゃっていたように、京都大学にはスポーツ推薦がないということで、学生はみな一般受験で入ってくるわけですが、身体能力や運動センスの面ではやはりスポーツ推薦制度のある他大学の選手には敵わないのでしょうか。
安澤:ちょっと敵わないですね。体の大きさからして違いますし。
―そういった、運動の素質に優れた選手が揃った大学と渡り合っていくために、京都大学アメフト部ではどんな取り組みがされていたのでしょうか。
安澤「その人の特性に合ったポジションを見つけ、強みを伸ばすことだと思います。
体は大きくないけど足が速い選手に向いたポジションがありますし、足は遅いけど体が大きい選手にやってほしいポジションもあります。極端な話ですが、これまであまりスポーツをやったことがない選手でもできるポジションもあるんです。だから、個人の特徴を最大限発揮すれば、身体能力に優れたチームとも勝負はできる。
そういう意味では、アメフトには未経験者や身体能力に劣る人が経験者に追いつきやすい競技ではあると思います。
―個人の適性を見極めて最適なポジションに配置するというのは、仕事とも共通しますね。
安澤:そうだと思います。
―本書では「常識」「アクション」「スキル」「仕事のやり方」など、仕事の前に立ちはだかる壁をどう乗り越えていくかが明かされています。特に多くの人が悩まされているのが「コミュニケーションの壁」だと思いますが、たとえば、仕事自体は好きで、もっとできるようになりたいが反りが合わない上司や同僚がいるために仕事に行くのが嫌、といった時はどのように解決していけばいいのでしょうか。
安澤:今のお話だけ聞くと、まず「仕事が好き」という時点で非常にラッキーな状態だということが言えます。
その状況でなかなか反りが合わない人がいる時にどうするかということですけども、「自分の理解者を一人作る」というのは有効です。上司でも同僚でも、あるいは社外の人だっていい。
それと、反りが合わないと思う人が、たとえば「厳しい上司」だった場合、後々考えてみると、そういう人の方が自分のことを思って言ってくれていたりします。自分の経験からしても、厳しく言われたその時はもちろん嫌ですけど、今思い返すとありがたいなと感じることも多いので、嫌な人がいるなら彼のいい所というか、その人の価値を探して、見つけるところからスタートするのがいいと思います。
その人の価値を認め出すと、接し方や態度が変わります。そうなると相手の態度も変わるはずですから。
―人間関係ということでいいますと、アメフトのお話に戻りますけども、部内で何か意見の対立があって選手同士が衝突するということはありましたか?
安澤:ありましたね。殴り合いのケンカになることはあまりなかったと思いますが。
ただ、衝突したからといって、その場で仲直りする必要はないんですよ。部の目標は試合で勝つことであって、そのためにそれぞれのポジションで役割を追及してチームに貢献していくわけです。その姿勢さえグラウンドで示せていれば、個々人が仲良しでなくても問題はないと思っています。
(後編につづく)