「水深2,000mの深海に沈むゴミ」のギャラリー

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この「Coors」ビールの缶は果敢にも、これまでのCoorsビールには行けなかった(と思われる)場所に行った。今は水深約2,600mのカリフォルニア州中部の沖合、トーニー海山の溶岩の上で休んでいる。

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われわれが海に捨てたゴミの多くは、ゆっくりと海底まで沈んで行き、海水に汚染物質を放出し続け、サンゴにまとわりつき、ゴミで覆われた海底の風景の一部になっている。



深海は酸素濃度が低く、日光がほとんど差し込まず、凍りそうなほど水が冷たい。そのため、物の腐敗ペースが遅い。陸地では数年間しか残存しない物が、海中では何十年も存在する場合もあるのだ。



モントレー湾水族館研究所(MBARI)の科学者たちは、水深約4,000m前後までの深海にあるゴミに関する報告書をまとめた。この報告書は、米国西海岸沖での20年以上にわたる調査で、遠隔操作型の水中探査機(ROV)によって撮影された1万8,000時間分の水中動画映像に基づいている。



研究チームが文書に記録した水中のゴミは、モントレー湾だけで1,150個に及ぶ。ほとんどはプラスティック製で、水深2,000m以上の場所に沈んでおり、砂地の海底ではなく岩がちな海底渓谷に引っかかっている。



報告書からいくつかの印象的な画像を紹介しよう。以下の椅子は、教室から脱走してモントレー湾の海底渓谷に飛び込んだようだ。今は水深3,200m近くの海底に佇んでいる。















2004年に、貨物船「Med Taipei」号がモントレー湾沖で嵐にあい、15個の輸送用コンテナを落下させるという事故があった。現在、コンテナはモントレー海底渓谷の水深約1,300m地点に沈んでいる。



モントレー湾水族館研究所の科学者たちは、2011年にこのコンテナの調査を行った(リンク先によると、船から誤って海に落ちるコンテナの数は毎年1万個にのぼると推定されるという)。
















カリフォルニア州南部のコンセプション岬の近く、水深4,000m弱の海底に沈む段ボール。右側にある白い生物は、Hyalonema属の海綿で、海底に茎状部を突き刺して成長している。












この「コカコーラ」の瓶は、元あった場所から遠く離れた、米国西海岸の約96km沖にあるデーヴィッドソン海山の水深約1,700m地点に転がっている。












深海にある宝石サンゴの一種を覆うプラスティック。オレゴン州の沖合にあるアストリア海底渓谷、水深2,100m近くの地点にて。












水深約2,400mの海に沈んだ金属ケース。今は、カニとタコの王国にある。












捨てられた靴の中に隠れる岩礁魚の稚魚。カリフォルニア州南部の沖合にあるサンガブリエル海底渓谷の水深約470m地点にて。












モントレー海底渓谷の水深約870m地点には、車はない。












オレゴン州沖合にあるアストリア海底渓谷の水深約1,100m地点に沈むカニ捕獲用のかご。




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