捨てゲームを制し、堂々アメリカへ!

大変残念なお知らせですが、私風邪を引いてしまいました。どうやら日曜日のWBC観戦時に、調子に乗ってしまったのが原因のよう。ちょっと日差しが温かかったもので、春らしく薄着で出掛けたのが問題でした。東京ドームの乾燥した気候などもあり、試合中には若干ノドが痛くなり始める始末。

結局、日曜の深夜には熱が出始め、一夜明けるとさらにガクッと体調悪化。丸2日寝込むハメとなり、楽しみにしていたGAME6観戦も見送らざるを得ない始末。もう少し余力があれば誰かにチケットを譲るなどの手配もできたのですが、熱が下がったら自分で行きたいと思ったもので手配も出遅れ。結局、チケットを抱き締めながら家でテレビ観戦することになってしまいました。

しかし、そんな僕を癒してくれたのが侍ジャパンの戦い。スタメンから漲る捨てゲーム感。「本気→本気→捨て」というローテーション三本柱の一角を形成する先発・大隣。そしてオランダ代表は11日のキューバ戦のサヨナラ勝ちが嬉しいあまり、朝8時まで興奮で寝つけなかったという情報。両軍から漂う捨て感と、キューバが出てこないことでリベンジする必要もなくなったという気抜け感。これらが僕の悔しさを和らげてくれたのです。

ここで1位になっても2位になっても、対戦相手を選べるわけでもありません。むしろ、こちらの様子を見ていればアメリカラウンドの順位決定戦では全力でオランダとの対戦を狙ってくるでしょう。ならば結果などどっちでもいい。むしろケガをしない程度のプレーが大事だ。ファンも体調を優先すべきだろう。家でゆっくり寝ながらテレビで見なさい。侍ジャパンの優しい言葉が僕の胸に響いてきます。嬉しいですね、侍の心遣い。

ということで、台湾戦を100とすれば5ぐらいの感じの戦いについて、12日のTBS中継による「WBC2次ラウンド 日本VSオランダ戦」からチェックしていきましょう。

◆不安のあるヤツ全員集合!実戦の中で練習を積み重ねるのだ!

試合開始前のスタンドには若干の空席も目立つ2次ラウンド最終戦。順位決定だけという一戦には、やはり盛り上がりに欠ける部分を感じます。まぁ僕も家で見ているので、人のこと言えた義理ではありませんが、ドーム全体にフンワリと捨て感を覚えます。

この試合、侍ジャパンは思い切った捨て打線を構成。調子の上がらない長野・松井のバッティング練習をさせるための1・2番。さらに7番にも打率ゼロ割・角中を入れてこちらもバッティング練習起用です。内川・稲葉は休養モード、阿部もDHで足腰の状態に配慮しながらの出場ということで、「勝てたら勝ちたい」程度に割り切った姿勢が好印象です。

日本の先発は大隣。「大隣はキューバキラーだから」とほのかな違和感を納得させてきた僕も、「おっ捨ててきたな」と納得の起用です。しかし、もちろんただ捨てているわけではありません。受けるキャッチャーも銀仁朗を起用するダブル捨て効果。準決勝、決勝では再現されないリード、出てこない投手を起用することで、敵チームに1試合ぶん無駄に分析の手間をかけさせる狙いです。

「大貧民で言えば3か4のカードの使いどころ」といった起用に見事に応えた大隣は、3イニングを1回の先頭打者ホームランの1本に抑える好投。台湾戦の緊迫感であれば「誰でもいいから殴りたい」と思っているであろう杉内の嫁さんにサンドバックとして差し出すところですが、今日はまったくの捨てゲーム。「いいよいいよ1点くらい」「覚悟してるから」「むしろ盛り上がった」と温かい気持ちでファンも声援を送ります。

しかし、そんな大隣の盛り上げも甲斐がないのが今の侍打線。

オランダの先発は、前回の対戦同様130キロ台のストレートとチェンジアップで攻めてくるタイプ。前回の6本塁打とまではいきませんが、打ち頃感満載です。すると早速2回に阿部の一発が飛び出し、あっという間に同点。その後つづけざまに四球→死球→角中のセーフティバント成功→松田のタイムリー→長野の走者一掃の3点タイムリー→もう一回打席が回ってきた阿部の2本目のホームランと、一気の攻勢で8-1逆転。

阿部の復活、角中のゼロ割脱出、大振りが目立った松田のセンター返し、復調の兆しを見せる長野のタイムリーと好材料続出の攻撃となりました。なお、この回の攻撃で新たに銀仁朗という打率ゼロ割バッターが誕生しましたが、この先特に打つ予定もないので、そこはノーカウントでOKです。

↓WBCの歴史に残る「1イニングで同一打者が2本のホームラン」を成し遂げた阿部!


野球人生でも、もう二度とないだろうな!

4番の完全復調でアメリカへの不安がなくなった!

↓解説の桑田さんはコレをドームランと認定!


桑田:「東京ドームはどうしたらホームランになるかをよくわかってますね」
桑田:「角度を出せば入るというのを阿部クンつかんでます」
桑田:「ホームランっていうかドームランってよく言うんですよね」

この人、ネットのやりすぎじゃないのかwwwwwwwww

「からくりドーム」とか「ドームラン」とか「エアコンの風に乗せる」とか冗談で言ってたら、本職が乗っかってきたwww

↓大量リードにベンチからは「早く帰りたいっすねー」の空気が!


左:「眠いなー」
右:「眠いっすねー」
左&右:「帰るか」

台湾戦では絶対に見られない余裕がここにはある!

その後は淡々とした中盤戦がつづきます。

3回の日本の攻撃、銀仁朗は華麗なショートゴロで打率ゼロ割維持。

4回表からは澤村がマウンドに上がり、これで通算3度目くらいになる桑田さんからの「澤村クンはアウトローの制球を磨けばウンタラ」という説教が始まります。誰か桑田さんの説教部分を編集して澤村さんに送ってあげると同時に、「それ送っておきました」「もうテレビで言わなくていいですよ」「もう言わなくていいですよ!」と桑田さんにご一報してあげてください。

5回表は田中マーさんがマウンドに上がり三者凡退。点を取られる前に引っ込み、何となく盤石な感じでアメリカ行きです。

5回裏はオランダの投手が妙な投げ方から死球を投じ、解説席の桑田・佐々木両氏が「ですよねー」とニヤニヤする微笑ましい場面も。

↓この投げ方から死球ぶつけるって、アメリカラウンドなら乱闘ものだろw


投手:「さーせん」
投手:「球が思うようにいかんのですわ」
投手:「危ないと思ったら避けてくださいね」

6回表にはキューバ戦のスリーラン被弾以来となる今村がマウンドに上がり、打者4人を相手に無失点。改めて「何でキューバはオランダに負けたんだろう?」という疑問をすべての野球ファンに突きつけてきます。

6回裏の日本の攻撃、銀仁朗は力強いピッチャーゴロで打率ゼロ割を維持。

さぁコールド勝ちの期待がかかる7回、日本は「ピンチで投げたい」とドM心を見せつける森福をマウンドへ送ります。FRIDAY報道以来初の登板となる森福は、ご希望通り四球と二塁打で無死二・三塁のピンチを構築。桑田さんは「自作自演」とニヤニヤし、ブルペンではフライデー仲間のワクワクさんが見守る中、森福は内野安打と犠牲フライで2失点。「あれ?アメリカに行く前に不安がひとつ増えた」と想定外の結果に、僕の中の杉内の嫁さんも拳をブンブン振り回し始めます。しっかりしてほしいものですね。

7回裏、一応5点取ればコールドですが、もはやそんなに頑張る気もない侍。代打で出た先頭の鳥谷がヒットで出塁するも、後続がつづかず無得点。

8回表は山口がマウンドに上がりますが、内野安打と四球で無死一・二塁。出てくるヤツ出てくるヤツそろってピリッとしないリリーフ陣に、ブルペンのワクワクさんも落ち着かない様子。結局山口はショートゴロの間に1点、その後タイムリーで1点を献上。8-5と普通の接戦になってきます。ブルペンにいるのはワクワクさんと牧田という「西武の中継ぎ」のみ。3点くらいなら逆転できそうな気配も漂ってきました。

さぁこの侍のピンチに堂々マウンドへ上がったワクワクさん。最初のバッターに二塁打を許すと、次打者にもヒットを打たれ1点献上、2点差に。最後のワンアウトまで退屈させない、ドラマチック西武野球の本領発揮です。

↓あまりに全員パッとしない状況に「西武は中継ぎではなく、キャッチャーが悪いのではないか?」との新たな視点も!


な、何だってーーーー!!

そ、そうだったのかーーーー!!

開幕する前から西武の戦いが終わった感じにーーーー!!

8回裏の日本の攻撃、その「西武のキャッチャー」銀仁朗は代打・稲葉を送られアメリカまで打率ゼロ割を維持。しかし、何やかんやでランナーをためたあと、長野にタイムリーが飛び出し2点を追加。長野復活という好材料を手に、長野の盗塁チャレンジ→失敗という積極性を手に、その影響で本多にバットを振る機会を与えないという嫌がらせを手に、侍はいい形で最後の攻撃を締めくくりました!

9回表は守護神牧田が登板。キャッチャーも相川に代わり、不安は一掃されたかに思われました。しかし、ここで牧田は2連打を許すなど、西武の中継ぎ感満載。結果0点で抑えるも、日本のリリーフ陣に不安が残る形の幕切れ。「西武のキャッチャーを代えたのに」「どうして打たれるんだ」「おかしい…!」と唸る視聴者に、解説席の桑田さんはズバッと原因を指摘してくれました。

↓名指しで遠回しな説教を繰り出す桑田流ネチクチ解説の真骨頂!
(牧田がヒット2本を許す)

桑田:「嫌なデータがありまして…」

桑田:「相川クンがキャッチャー行った最初のイニングですね、失点が多いんですよね」

桑田:「おととい(※正しくは8日)のマーくんのときもそうですよね。その前の福岡でもそうなんですけど、代わっていった最初のイニングに失点してるんですよね」

桑田:「まぁ偶然ならいいんですけど!」

桑田:「何か配球とか考えてもいいかもわからないですよね。これだけつづくとですね」

桑田:「偶然そうなっているのか、何か原因があるのか。今日ももしそういうことがあったならちょっと考えてもいいかもわからないですよね」

桑田:「橋上さんとかスコアラーの人と話をするのも手ですよね」

桑田:「僕はキャッチャー出身じゃないですから偉そうに言うのもなんですけど。相川クンもベテランですから」

桑田:「でもちょっとつづいているので!」

桑田:「配球をちょっと考えたほうがいいのかもわからないですよね」

(牧田、1球投げる)

桑田:「佐々木クン、これもっと大袈裟に高めでもいいよね」

佐々木:「うん」

桑田:「中途半端だよね何か」

佐々木:「今のは怖い」

桑田:「怖いねぇ」

桑田:「うーん」

小姑かwwwwwwwwwwwwwwww

体罰教師がバチーンと殴って「配球考えろバカ!」って言うほうが小気味よくさえあるなwwwwwwwwwwwww

この人、面倒臭いwwwwwwwwwww

※ちなみに偶然ならいいのですが、捕手・相川の入りのイニングはブラジル戦1回裏、キューバ戦8回裏、台湾戦8回裏と3戦連続失点中でした。
※ちょっとつづいているので相談したほうがいいかもしれません。
※主に配球を考えるなどしたほうがいいかもしれません。

まぁ苦しみながらの勝利ですが勝ちは勝ち。そもそもこの試合に120%の集中を要求すること自体が無理というもの。むしろ、ちょっと苦戦して「ヤバッ」と思う感じで、ちょうどよかったのではないでしょうか。これで日本の準決勝は18日。決勝まで中1日の余裕を持てる日程となりました。何も思い残すことのない万全の準備を整え、アメリカへ乗り込む侍たち。世界3連覇、大いに期待できそうですね。

「来週までWBCの日本戦ない(´・ω・`)」という現実が辛いです!