試合 :ブンデスリーガ 第25節
開催日:2013年3月10日
結果 :引き分け
スコア:「0−0」
得点者:無し


○ ハノーファー

FW:アブデラウエ ディウフ
MF:パンダー ピント ホフマン ヤ・コナン
DF:ポコノーリ シュルツ ジュル シャヘド
GK:ツィーラー

FW:ソビエフ ディウフ
MF:シュラウドラフ ピント ホフマン ヤ・コナン
DF:ポコノーリ シュルツ ジュル シャヘド
GK:ツィーラー

○ フランクフルト

FW:マトムル アイグナー
MF:乾貴士
MF:マイアー シュヴェグラー チェロッツィ
DF:オチプカ アンデルソン ザンブラーノ ユング
GK:トラップ

FW:乾貴士 アイグナー
MF:ラニク
MF:マイアー シュヴェグラー チェロッツィ
DF:オチプカ アンデルソン ザンブラーノ ユング
GK:トラップ

FW:マイアー ラキッチ
MF:ラニク
MF:キッテル シュヴェグラー チェロッツィ
DF:オチプカ アンデルソン ザンブラーノ ユング
GK:トラップ


前節の途中から使った「4−3−1−2」という形に手応えを感じたのだと思いますが、この試合はスタートから「4−3−1−2」という形だったフランクフルト。前節の「4−3−1−2」との違いは、乾をFWではなくトップ下、マイアーをトップ下ではなく左の中盤、としていたところでした。狙いとしては、乾とマイアーがポジションチェンジしながら起点を作り、FWにラキッチのようなポストプレイヤータイプの選手ではなく機動性のある選手を2枚使って、今までとは矛先を変えたような攻撃方法を、という事だったと思いますが、やはりまだそれがしっくりきていない感じでした。

2トップは、どのような動き方をするのが良いのか、それが定まっていないような感じでしたし、トップ下の乾は、基本ポジションが左サイドから中央へ変わって、今までのような動きの幅の広さを失ってしまい、相手に寄せられてボールを奪われてしまうようなシーンが多くなってしまっていました。少し前の香川がそうであったように、乾や香川のような選手がトップ下でプレーする場合には、とにかく動きで相手を制す、という事をやらなければならず、本田やマイヤーのようなフィジカルの強さが無いので、止まった状態でボールを受けてもなかなか良いプレーはできない、という事ですよね。

前半の35分過ぎぐらいからは、ようやく乾もトップ下でのプレーの仕方を思い出したようで、少しだけ良いプレーができるようにはなっていましたが、しかし、この試合の乾のトップ下としての評価としては、やはり赤点だったと言わざるを得ないかなと思います。もちろん、その原因は乾にだけあったのではなく、全体的にまだ「4−3−1−2」のシステムの浸透度が低かった事、とりわけ、2トップがほとんど良い仕事をできていなかった事、そこにも大きな原因があったと思います。もっと2トップが高いパフォーマンスを発揮して、トップ下の乾をフリーにできれば、という部分ですね。

スコアレスのまま、後半45分に乾は交代。試合もそのままスコアレスで終了。引き分けという結果でした。個人的には、2トップとトップ下であれ、1トップと2シャドウであれ、マイアーと乾を前3枚の内の2枚に使う、その方が「4−3」というシステムを使うのであれば良いかなとは思っていて、それでどうしてもビルドアップのところに悪さが出てしまうようであれば話は別ですが、しかし、今までも乾とマイアーは2列目でやってきましたから、もし攻撃の矛先を少し変えたい、という事が主な目的であるならば、やはり乾とマイアーは前3枚の内の2枚に使った方が良いかなと思います。

もしかしたら、2トップがサイドへ開き、中央で乾とマイアーが最前線と2列目を兼ねる、というような、バルサ型に近いような攻撃の形を目的としていたのかな、という事も感じましたが、それだったらもっとハッキリと2トップが左右のワイドへ開き、また、中盤の右サイドにはチェロッツィのようなサイドアタッカータイプの選手ではなく、ロデ、ラニク、のような中央で活きるタイプの選手を起用した方が良いかなと思います。バルサ式の「4−1−2−3」を目的としたのか、それとも「4−1−3−2」に近い形を目的としたのか、そこがフランクフルトは曖昧だった、という印象でした。