家具大手ニトリで買った椅子の脚が折れ、転んで大けがをした結果、うつ病になったとして、北九州市の40代の女性が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は2013年2月28日付けで、ニトリ側の上告を退ける決定をした。

これで、事故とうつ病の因果関係を認め1580万円の賠償をニトリに命じた11年12月の二審・福岡高裁判決が確定した。

二審判決によると、女性は08年11月、ニトリで買った椅子(商品名「パーソナルチェアウルフ2」、品番RD6200R)に座って1歳の長男をひざに乗せようとしたところ、溶接の不具合で椅子の脚が折れ、転倒。その際に腰の骨が折れて入院し、4か月後にうつ病と診断された。

一審福岡地裁小倉支部は健康が回復しないことなどへの不安からうつ病になったとして、ニトリに約960万円の支払いを命令。二審福岡高裁は精神的負担をより重視し、賠償を増額していた。