世界最大の太陽熱発電所:ギャラリー
カリフォルニア州南部のモハーヴェ砂漠では、巨大な太陽熱発電施設「アイヴァンパ太陽熱発電所」(Ivanpah Solar Electric Generating System:ISEGS)が建設されている。
この施設は、グーグル、NRG Energy社、そしてBrightSource Energy社が資金を出しているもので、2013年に完成すれば世界最大の太陽熱発電所(日本語版記事)となる。太陽の熱エネルギーを1カ所に集中させて蒸気を作ることで、一般家庭14万世帯分の電力をまかなえるという。
ただし、ひとつ問題がある。ISEGSの建設場所が、絶滅危惧種である砂漠ガメの生息地のど真ん中に当たるということだ。そのため、建設に関わる企業は、この生物の保護と新しい定住先探しのために、すでに5億6000万ドルを費やさざるをえなくなった。
大規模な産業施設を舞台にした自然と人間の活動の交差をテーマとしている写真家ジェイミー・スティリングズは、ISEGSの建設が始まったときから撮影を続けてきた。この巨大な施設がどのように建設されてきたか、ギャラリーで紹介しよう。
スティリングズ氏は、「再生エネルギー施設の建設をめぐる問題は、思っていたよりもずっと複雑であることがわかった」と述べている。
グーグル、NRG Energy社とともに発電所建設プロジェクトを進めるBrightSource Energy社の広報担当者、クリスティン・ハンターは、このプロジェクトでは環境への影響にも十分配慮してきた、と述べる。まっさらな自然環境ではなく、近隣に州間道路やゴルフ場などが建設されてきた場所だとも、ハンター氏は強調した。
環境保護団体シエラクラブのバーバラ・ボイルは、ハンター氏の意見に反対で、もっと環境へのインパクトが少ない場所を選べたはずだと述べている。
スティリングズ氏は、地上施設へのアクセスが制限されていたため、多くの写真をヘリコプターから撮影した。そのことで、かえってこの施設の全容がとらえられている。
※BrightSource社は、太陽熱発電業界のリーダーとして1980年代からこの発電方式に取り組んできた。ISEGSは、同社が2009年にカリフォルニア州の電力会社Southern California Edison社との間に結んだ7つの契約のうちのひとつ。7つすべてが稼働すると、サンフランシスコの世帯数を超える845,000世帯に電力を供給できるようになるとされている(日本語版記事)。
2012年10月27日撮影。アイヴァンパ太陽熱発電所を北側から見たところ。3つの太陽熱発電フィールドを全て見ることができる。手前のSolar Field Oneは、ヘリオスタットの取り付けが完了している。
※この翻訳は抄訳です。
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