ボージョレ・ヌーヴォー解禁! ということで、昨年のヌーヴォーを開けてみた

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11月の第3木曜日といえば、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。

毎年フランスのボージョレー委員会はその年のヌーヴォーにキャッチフレーズをつけているのだが、今年は「心地よく、偉大なフィネスがあり、アロマの複雑さが見事なワイン」。

悪天候からぶどうの収穫量は例年の半分となったが、それでも収穫直前から収穫終了までの期間は天候が回復して、結果的に品質は安定したものになったという。

今年のヌーヴォーの試飲記事は弊誌でも掲載をした。

さて。

昨年はというと「3年連続で偉大な品質となったボージョレ! 」。

実は昨年の解禁日から1本寝かせておいたものがある。

それを今年の解禁日に開けてみたわけだが。

ここからは、昨年のボージョレ・ヌーヴォーのレビューをしていこう。

昨年の味わいと比較してみると……。

「ジョルジュ・デュブッフ ボージョレ・ヌーヴォ2011」(375ml / Alc.12.5%)常温(暗室)で立てたまま保管色: (昨年)暗いルビー色→(今年)全く褪せていない。

香り: (昨年)ブラックチェリー、すみれ、なめし皮→(今年)黒い果実のニュアンスが強く、昨年感じた赤い果実(イチゴなど)の香りは少なくなっている。

味わい: (昨年)きれいな酸が口の中で長く残り心地がいい苦味がうまく乗っかっている。

ほんの少しではあるが、まだタンニンも感じられる→(今年)「酸が極端に少ない」と表現されていたが、さにあらず、ビロードのように滑らかな酸がうまく支配して絶妙なバランスをとっていたビックリである。

よくて「昨年から変化なし」もしくは「味わいについてはトーンダウンか」と想像していたのだが、しっかり進化を遂げていた。

しかも昨年よりもさらにパワフルに、果実味も凝縮されていた。

これをブラインドテイスティングしたら、去年のヌーヴォーなどとはこれっぽっちも思わないであろう。

かっちりとした酸味と強いアルコールのボリューム感はさらに2年、3年と進化を遂げそうな勢いである(しかし、残念なことにもう手持ちはない……)。

ただし、このデータは私が昨年からキープしていたボトルのものであって、造り手やボトルよって違いがあることをお断りしておき、2011ヴィンテージ全てがこのようになるわけではないので悪しからず。

毎年、その年のヌーヴォーをお祭り騒ぎで飲み干してしまうのも一興だが、1本隠し持っておき、1年後に開けてみるのもいいかもしれない。

今年のヌーヴォーが1年後にどのような味わいになっているかは誰も予想ができないけれど。