フルモデルチェンジレベルの大幅なマイナーチェンジをされた新型レガシィですが、実はスバル車の場合、ビックマイナーチェンジと呼ばれる改良は今回だけでなく、あらゆるモデル・クルマで行われています。


スバルのクルマは毎年「年改」と呼ばれる改良が実施され、年改毎にアプライドモデルと呼ばれるアルファベットがA→B→Cと変わっていきます。


ネット上などで良く型式で呼称している場合が見受けられますが、スバル車の場合最初の最初の1ケタ目が車種記号。


B→レガシィ、G→インプレッサ、S→フォレスター、Y→エクシーガ、Z→BRZとなっています。


2ケタ目はボディ形状とモデルの世代を表します。


例えばレガシィの場合、セダンがC→D→E→L→Mとなり、ワゴンがF→G→H→P→Rと進んで行きます。


3ケタ目は駆動方式とエンジンの排気量


4ケタ目が年改記号になります。


これは他のスバル車にも当てはまる法則で、現行型ではインプレッサG4とSPORTSはA型、WRX STIはC型、フォレスターはD型、エクシーガはD型となっています。



大概はD型やE型で次のモデルへフルモデルチェンジされますが、モデルライフの長かったGD/GG型インプレッサはG型まで存在しました。


GDBA型(丸目)


GDBC(涙目)


GDBF(鷹目)


またGD/GG型はマイナーチェンジで2回行われた大幅なフェイスリフトで同一形式ながら全く違う顔を3つ持つモデルとしても有名です。


たいていの場合4ケタ目までの記号を言えば車種を特定できます。


例えば筆者が所有しているレガシィの場合、BR9Aと言えば5代目レガシィの2.5L AWDの初期型と言うところまでは記号で判別できます。


今回のレガシィのマイナーチェンジは3回目にあたるので、D型と呼ばれます。
レガシィの場合は大概はD型で大幅なマイナーチェンジが行われるのが殆どですが、モデルによってはB型である場合もあるので、一概には言えません。


他にもA型からB型になる際も、小変更にとどまらずサスペンションのセッティングやボンネット形状の変更などが盛り込まれる場合もあります。



歴代レガシィで大幅なマイナーチェンジが行われたのは2代目にあたる、BD/BG型のB型で、それまでAT,MT共に250psを発生していたツインターボエンジンが、大幅な改良を受けATで260ps、MTで当時の自主規制いっぱいの280psまで引き上げられ、2.0Lでは初の280psモデルとして話題を呼びました。


また、BD/BGのB型は17インチホイールやビルシュタインダンパーを標準装備したセダンRS,ワゴンGT-Bが注目され、特にGT-BはワゴンでありながらMTで280psを誇るツインターボエンジンとそれをしっかり受け止める17インチホイールにビルシュタインダンパー、ウィンターレジャーに大活躍するフルタイム4WDのパッケージングがヒットし歴代レガシィでも大ヒットとなりました。


このGT-Bがレガシィの代名詞ともなり、現行モデルでもターボモデルの最上級グレードには今でもビルシュタインダンパーが採用されています。


スバルのマイナーチェンジや年次改良は他のメーカーと違い、年改でマイナーチェンジレベルの改良をしたり、マイナーチェンジでフルモデルチェンジレベルの改良を施す場合もあり、それは熟成と進化と言う過程では必要不可欠な要素であり、常に最良を追い求めている結果とも言えます。


今回のマイナーチェンジはその中でも大掛かりな部類に入る物で、レガシィ史上、歴史に残るマイナーチェンジと言っても過言ではないでしょう。


(井元 貴幸)