第33回ウィーンモーターシンポジウムにおいて、大手部品メーカーのデルファイは、小型エンジン向けの新しい軽量ユニットポンプコモンレール(UPCR)システムを発表しました。


1〜4気筒の小型ディーゼルエンジンを前提に設計されたという、このUPCRシステムの特徴は費用対効果に優れていることだそうです。


現代のクリーンディーゼルには欠かせない高圧で緻密な燃料噴射を可能にするコモンレールシステムですが、高圧ポンプなどにコストアップの要因があるということ。デルファイのシステムは、ポンプ部分に低コストの代替技術を用いることで費用対効果に優れたシステムになっているといいます。


この軽くてコンパクトなコモンレールシステムは、農機具や産業機械などのクルマ以外も含んだ小型ディーゼルエンジンにおいてある種の理想的な技術ということです。


さらに現在の量産システムでは、1600barとなっている圧力は、軽量コンパクトながら2000barまで高められ、厳しいユーロ7規制をクリアすることができるということです。


高速ソレノイドディーゼルインジェクター、エンジン制御モジュール(ECM)、高効率・低コストの燃料フィルター、計量弁(IMV)を持つ燃料ポンプからなる、このUPCRシステム。
クリーンディーゼルのコストを下げることで、小型のクリーンディーゼルエンジンの普及とアフォーダブルな車両価格実現に向けて、期待されるテクノロジーといえそうです。


(山本晋也)