東北楽天のエース・田中将大が“こいつには負けたくない”と思うピッチャーは、やはりあの男だった――。

TBS「S1」(26日深夜放送)では、野球解説者・野村克也氏が、楽天キャンプ地を訪問し、かつての教え子・田中と対談した模様を放送した。「すいませんね、大投手」とお辞儀をしながらも、「お前それ染めてるのか?」といきなり田中に絡んでいったノムさん。田中が「いや、染めてないです。地毛です」と言えば、「茶髪禁止だよ」と懐かしいやり取りも。

また、ノムさんが「婚約か、結婚か知らないけど、おめでとう。うちと一緒だな。年上の女房。どこで知り合ったんだよ」と言えば、田中は「テレビの収録です」と答えつつ、「お前の方からいったの?」という問いには、しっかりと「いえ、あちらから」と説明した。そんな二人の対談要約は下記の通りとなる。

野村:去年5位だっけ?寂しいなぁ。今年のキャンプで新しく取り組んでることあるの?

田中:そうですね。投球フォームの面で軸足の使い方っていうのを、ダルビッシュさんと一緒に自主トレをやって頂いたんですけど。キャンプの前半は試していたんですけど、どうも自分にはハマらなかったんで。

野村:ダルビッシュから影響を受けていることは何かある?

田中:全てにあそこまで考えている人は他にいないんじゃないかっていうくらい。

野村:例えば?

田中:栄養、食事のことだったり、ウェイトトレーニングのこととか、本当に色んな話を聞いて今までこんな人は絶対いなかったなって。

野村:ダルビッシュいなくなったんだから、今度はマー君が。

田中:そうですね。無理ですね。

野村:大丈夫だよ。もう田中将大じゃないんだよ。日本のエース。チームのエース、チームの鑑だから。キャプテンどうや? やっぱり責任感持たせた方がいいと思うんだよな。

田中:キャプテン・・・。

野村:星野(監督)に言っとくか?

田中:いやいやいやいや。

野村:去年何勝だっけ?

田中:19勝です。

野村:今年に置いといたんか? もう1勝は?

田中:・・・。

野村:20勝するための条件って自分で考えてる?

田中:もう少し、遊び心といいますか。対バッターに一生懸命行き過ぎているっていうところがあるんで、もう少し心に余裕をもって投げられるようになれば。

野村:俺、いいこと監督の時に教えている筈だけどな。

田中:はい。

野村:「困ったら原点」って教えなかったっけ?

田中:はい、今でも。

野村:覚えているかどうか知らんけど、2年目、外野で二人で話している時に「今年はどうする?」って聞いたら、「ストレートで空振りの三振獲りたい」って言ったじゃん。「そりゃいいな」って言って賛同して失敗したな。

田中:覚えてます。

野村:2年目、何勝したのかな?

田中:9勝でした。

野村:やっぱり駄目だ。俺の責任だ。

田中:いやいやいやいや、オリンピックで抜けたんで。その次の年、3年目の時にコントロールだって言われて、それは今でもコントロールがよければいい球投げれるっていうのは。

野村:やっぱり外角低め。困った時にそこにコントロールがあればさ。

田中:去年も随分助かりました。僕の野球人生を支えています。

(ここで、斎藤佑樹からビデオレターが紹介されると、表情が険しくなったマー君)

野村:こいつには負けたくないというピッチャーは?

田中:(即答で)斎藤です。

野村:やっぱり、どっか頭の片隅にあるんだ?

田中:負けたらもう何言われるか分からないんで、それは負けれないですね。

野村:今年の目標は?

田中:自分の中で一年ローテーション守って、そうすれば沢村賞、今年も狙えてくると思いますし、全部繋がってくると思いますし、しっかり働いて投げていかないと。

野村:楽天のエースは俺だという自覚は?

田中:あります。