韓国食品研究院のクォン・テヨン博士研究チームと韓国学中央研究院のジョン・ギョンラン研究チームは9日、韓国の唐辛子(とうがらし)の由来について明らかにした『唐辛子の話』を出版し、唐辛子は日本から伝来したのではなく、数千年前から朝鮮半島に自生していた植物だと主張した。複数の韓国メディアが伝えた。

 日本に唐辛子が伝わったのは16世紀後半とされ、1542年にポルトガル人宣教師が伝えたとする記録がある。朝鮮への伝来は、朝鮮出兵の時に日本が持ち込み伝わったとする「日本伝来説」が日韓では通説となっている。

 報道によると、研究チームは「わが国のキムチの歴史は100年しかない」、「唐辛子は毒草だがわが国民の口に合うようにした」、「キムチは沈菜という漢字語に由来する」、「唐辛子(韓国語の読みではコチュ)は日本語のコショウに由来する」などの唐辛子に関するさまざまな説を収集。過去の文献に記された200あまりの記録と照らし合わせ、それぞれの説の矛盾点を指摘した。

 研究チームは特に、李圭景(イ・ギュギョン)が1700年代に記した百科事典『五洲衍文長箋散稿』に、「南蛮椒(タイ唐辛子)という辛い唐辛子が日本を通じて入ってきた」という部分と、「わが国に以前からある唐辛子はとても品質が良い。淳昌と天安のコチュジャンは全国的に有名だ」とする記述に注目。日本伝来説を全面的に否定した。

 クォン博士は「科学者として雲をつかむような説は聞いていられなかったので研究を始めた」と説明。「唐辛子の日本伝来説のような間違った説により、わが国の食文化と歴史がわい曲され蔑視(べっし)されてきた。間違った説を正す機会になるだろう」と述べた。(編集担当:新川悠)



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