担当M(以下M):南米選手権の出場を巡って紆余曲折がありました。一応参加は表明しましたけれど、まだ海外の選手がどれくらい参加できるかわからないし、どんなメンバーでいくのか不透明です。まずこの南米選手権に出場するべきかどうかについてはどう考えますか?

ラモス(以下R):僕は参加するべきだと思います。次回のワールドカップがブラジル開催だということを考えても、南米のチームと真剣勝負できるチャンスを逃すことはないでしょう。日本はヨーロッパの情報は入っていますが南米に関することは少ないので、そのギャップを埋めることもできますから。南米選手権に出場できる機会って、普通はありませんよ。

M:確かに欧州選手権に出場できるという状況なら、もっと機会を大切にしそうな気もします。参加するのはいいけれど、どんなメンバーで挑めるかという問題もあります。海外でプレーする選手にしても参加を渋っているクラブもありそうです。

M:海外にいる選手について、それぞれの国やクラブでの考えがあるでしょうから、それは尊重してあげていいでしょう。

M:もし海外でプレーする選手の参加人数が少なくなれば、Jリーグの選手が必要となり、今の代表チームとは違ってきますが、これについてはどう考えますか?

R:僕はちょうどいいシミュレーションになると思います。確かに今の代表チームは海外でプレーする選手たちが主力になっていますが、はたしてそれだけでいいのか。もしも長谷部が故障したら誰が代わりを務めるのか。長友や内田がケガをしたらどうなるのか。もしかしたら次のワールドカップの時にそうなってしまうかもしれないんです。だったらこの南米選手権が、代わりの選手を見つける絶好の機会だと思いますね。真剣勝負の中でどこまでプレーできるのか、実力がハッキリすると思いますよ。それに、こういうチャンスで出てきた選手がレギュラーになるかもしれない。

M:2010年も長友選手がメキメキ台頭しましたからね、確かに新星が出てくるかのせいもあると思います。ですが、リーグ戦の最中にいろいろなチームの主力が抜かれることにもなります。

R:だけど日本代表で活躍することで、その選手の価値は上がりますし、代表プレーヤーを見られるということで、クラブの集客にも貢献できるはずです。確かに目の前の試合を考えると大変かもしれませんが、もうちょっと長い目で見て考えていいと思います。プラスとマイナスを考えると、プラスのほうが大きいはずですよ。