ここ最近、すっかり“負けグセ”がついてしまったかのようなフランス―。3日にホームで行なわれたユーロ2012予選の大事な初戦でも、ベラルーシを相手に0―1で敗れた。

 これでW杯の“悪夢”のメキシコ戦から数えて4連敗。5月26日に行なわれた強化試合のコスタリカ戦以来、7試合も白星から遠ざかっている。過去10試合の戦績で見ると1勝6敗3引き分け。もはや強豪国という印象はすっかり消え失せた。

 再建の大きな期待を受けて就任したローラン・ブラン監督はこれで2連敗。過去に2つの黒星でスタートを切ったフランスの指揮官といえば、1992年のジェラール・ウリエ氏(その後リバプール、リヨンの監督)の例がある。その後は6連勝と巻き返したものの、W杯出場を逃し、1年3ヶ月という短命政権に終わっている。

 ベラルーシ戦の翌日、レキップ紙が敗因を分析しているが、やはり新しいチームになってから日が浅く、自動的な連動性ができあがっていないのが大きいと指摘している。出場停止(グルキュフ、リベリ、エヴラなど)と故障(ナスリ、ベンゼマ、ジニャック、L・ディアラ、シセなど)が響いたのもたしかだ。プレーの面では、ボールを支配したものの、ゴール前に詰め寄る局面でパスの精度と決定力を欠いた。

 次戦(7日)の相手となるボスニア・ヘルツェゴビナはランキングではベラルーシより上。ベラルーシ戦でフレブ兄弟に手こずったことから見ても、ピヤニッチ(リヨン)やジェコ(ヴォルフスブルク)など個人技のある選手に要注意だ。3日の試合でレミ、サアと攻撃陣に2人の故障者が加わったのも痛い。ブラン監督は就任時から、ユーロ予選を突破できなければ辞任、と公言している。次も勝てなければ、早くも“政権危機”の信号が灯り出すことになる。