景気対策75兆円の中で69億円の対策費が計上されている「新型インフルエンザ対策」ですが、ミサイル問題に肺結核とパンデミックの演習のようなリスク(事件・事故)が発生しています。感染症対策については現実が政府発表をはるかに凌駕する深刻さです。

昨日から芸能人の肺結核のニュースが報道されていますが、東京都の対策窓口には100件以上の電話相談が寄せられているようです。
肺結核も法定伝染病ですので、発症すれば隔離による長期の化学療法が必要になります。先進国の中で、もっとも結核の発症者が多い日本ですから、新型インフルエンザを含めた感染症対策に対する意識の低さと合わせて、パンデミック発生時の不安が残っています。

2008年7月に厚生労働省は新型インフルエンザ発症と感染・死亡について、以下の資料を公開しました。

http://www-bm.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/09-11.pdf

・新型インフルエンザ発症者は、最大3200万人(人口の27%)
・新型インフルエンザによる死亡者は、最大64万人(人口の0.5%)

より詳しい実態としては、昨年の日経BPのインタビュー記事(WHO インフルエンザ協力センター長 田代氏)が掲載されていますので、こちらをご覧頂ければと思います。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index.html

田代氏のインタビューは、あまりにもリアルな内容なので、ちょっと不安を煽るかなと心配にもなります。記事の中では「鳥の世界における鳥インフルエンザは既にパンデミック状態にある」といった説明があったり、推定死亡者数を600万人以上としています。医療の立場からすると当然のことなのかもしれませんが、政府見通しの甘さと現実を見据えた記事になっています。


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