企業活動に自由はない。あるのは選択の自由である。

企業活動のプラットフォーム、あるいは、基盤となるオペレーティングシステムとして経営理念やビジョン、あるいは、ミッションがあげられる。これらが表すのは企業活動における価値観や考え方、あるいは、目標や目的である。逆に言えば、理念やビジョン、あるいは、ミッションという名目で、経営の土台となるものを表現することができる。

目標や目的、ビジョンやミッションなしに組織的な活動を展開することは不可能である。「お金持ちになりたい」、あるいは、「有名になりたい」という目標が漠然とあったとしても「なぜそうしたいのか」や「そのためにどうするのか」が明確に描けなければならない。

経営に自由はない。明確な目標や目的、あるいはビジョンを持たない経営は暗闇のなかをさまようことになるだろう。それは明かりを見つける旅であり、使命に気付くための戦いのようでもある。真っ暗闇の中で自家発電するエネルギーがなけれは、永遠に続く旅や戦いの一つの章を完結することはできない。

企業活動はそうなるべくして一つの幹線へと向かうようである。暗闇の中で、どちらの方向に向かうかは自由だが、ある程度整備された、あるいは、走行が比較的容易な幹線は、無数にあるようで、実はそれほど多くはない。全く別の進路の探索に時間やエネルギーを浪費し過ぎると選択すべき進路にたどり着く前に倒れてしまうかも知れない。

選択する幹線には不思議な傾向がある。それはしっかり目を見開いて、周りの状況に注意しながら、かつ、惑わされずに進む限りにおいて、決して他の幹線と交錯することはない。

企業の数だけ、進路を示す幹線はある。それらは上空から見ると交錯しているように見えるが、実際に走行すると決して交錯することはない。


続きはこちら