自分に合った具体的な職業を探し当てることが天職ではない・・・!

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このたび独立後4冊目の著書
『いい仕事ができる人の考え方』−あなたの「働きモードが変わる36のQ&A−
を上梓することができました。
きょうはそのPRも兼ね、その中でも触れた「天職」についての考察を書きたいと思います。


さて、天職とは、私は
「仕事を通して得た最上の境地」ととらえています。

つまり、この次元になると、天職の「職」は、特定の「職業」ではなく、
「境地」と置き換えてもいいようになるのです。

西村佳哲さんが書かれた『自分の仕事をつくる』(晶文社)という本があります。
これは、著者がものつくり系のデザイナー・職人たちをさまざまに訪ね、
「仕事とは何か」というテーマを追っていく良書ですが、
ここでは興味深いコメントが散見されます。

例えば、東京・富ヶ谷にパン屋「ルヴァン」を開く田中幹夫氏のコメントは:
「パンそのものが目的ではないな、という気持ちが浮かんできた。
・・・パンは手段であって、
気持ちよさだとかやすらぎだとか、平和的なことを売っていく。
売っていくというか、パンを通じていろんなつながりを持ちたいというのが、
基本にあるんだなと思います」。

また、日本在住の人気デザイナー、ヨーガン・レール氏のコメントは:
「自分の職業がなんであるとか、そういうことはあまり気にしません。
私は、モノをつくってるというだけでいいです(笑)」。

これらの人たちは、まさに天職を生きていますが、
彼らの心の次元では、もはやパン焼き職人とか、アパレルデザイナーだとかの
具体的な職業は主たる問題ではなくなっています。

いまのこの力強い心の平安を自分にもたらしてくれている職業が、
たまたまパン職人であり、デザイナーであったのだ
という思いにまで昇華されているからです。

つまり、これらの人たちは、仕事を通じてある高みの境地に達したといえる。
この悟りにも似た感覚は、

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