私がマーケティングの世界に踏み込むきっかけとなったのは、
24歳の時入社した世界最大の調査会社、

「ニールセン」(Nielsen)

の日本支社です。


当時、ニールセンの主力事業は、
全国の大手スーパーやコンビニエンスストア、
ドラッグストア、薬局・薬店、化粧品店、酒店、タバコ店
などの「小売店パネル」を使った

「消費財の販売動向調査」

と「テレビ視聴率調査」の2つ。


私は、消費財の販売動向調査の部門に属し、
フィールド調査員の仕事から始め、後に商品データベースの
運用・管理や、POSデータに基づく販売動向レポーティング
サービスの開発プロジェクトに関わったりしました。


さて、現在は、組織体制も事業内容も。
すっかり様変わりしたニールセンですが、最近、

「米ニューロフォーカス社」

を買収して、ニューロマーケティングの分野に
参入しています。


「ニューロマーケティング」とは、
簡単に言えば、脳内の変化を直接測定することで、
消費者の広告などへの反応をより正確に把握しようと
するもの。


ニューロフォーカス社の測定手法は、
一般に用いられている

「fMRI」(機能的磁気共鳴画像法)

ではありません。


「EEG」(エレクトロエンセファログラム)

という装置です。


「EEG」の場合、実験に協力する被験者は、
頭全体を覆うニット帽のような帽子をかぶります。

この帽子には、64個のセンサーがつけてあって、
脳内の64部位の「脳波」を1秒当たり

2,000回

測定できるのだそうです。


fMRIではなく、EEGを利用するメリットは、
ひとつは「脳波」を測定するため、

「脳内の血流」

の変化を測定するfMRIと違って、
広告などの外的刺激に対する反応における

時間的ずれ

が発生しにくいこと。


もう一つは、帽子をかぶるだけなので、
普段の生活に近い、自然な状態で測定テストを
受けることができる点です。


fMRIの場合、巨大な装置の中に、
横たわった形で入らなければならないため、
普段とは異なる不自然な環境での実験となります。


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