リーグ・アンの名門クラブ、サンテチエンヌの練習に参加していた横浜F・マリノスの田中隼磨が20日、帰国した。

「レキップ」紙によると、田中の「テスト」は、サンテチエンヌのイワン・ハシェック監督が日本を訪れた際、知人に薦められて決めたもの。フェルナンデス監督補佐が「見てみたい選手だった」と同紙に語っている。「田中には、将来に向けて我々の関心をひくプロフィールがある。いますぐというわけではない。獲得するにしても、今シーズン終了まではない」と同監督補佐が続けた。

 ハシェック監督は1990年から1994年まで当時リーグ・アンだったストラスブール(現在は2部)でプレーし、その後はJリーグのサンフレッチェ広島、ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)で活躍した。現役引退後はチェコのスパルタ・プラハ、ストラスブール、ヴィッセル神戸を経て、今シーズンからサンテチエンヌの監督を務めている。

 1933年創立のサンテチエンヌは、リーグ・アン最多である10度の優勝回数を誇る。60年代後半から70年代半ばに黄金時代を迎え、4連覇(1967年〜1970年)、3連覇(1974〜1976年)を成し遂げ、うち4シーズンはフランス杯との2冠を達成した。1976年にはフランスのクラブとして初めて欧州クラブ選手権(現チャンピオンズリーグ)の決勝に進出した(バイエルン・ミュンヘンに0-1で敗れ準優勝)。

 しかし1981年に故ロシェ会長の不正会計事件が発覚して栄光の座から失墜。3シーズン後には2部に陥落し、その後も1部と2部を行ったり来たりしている。2005年は4シーズンぶりに返り咲いたリーグ・アンで6位、昨シーズンは13位だった。

 チームカラーの緑から「レ・ベール」の愛称で親しまれ、いまなお「フランスサッカー史上最強のクラブ」と称える人は多い。あのプラティニが1976年からユベントスに移籍する1982年まで在籍していたことでも知られる。