引退セレモニーで美馬(手前)から花束を受け取り号泣する井上(撮影・開出牧)

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 今季限りで引退したロッテ・井上晴哉内野手が17日、ファン感謝祭「MARINES FAN FEST2024」で引退セレモニー。ファンに感謝の言葉を述べ、号泣した。

 井上の引退セレモニーでは日本生命時代の同僚、巨人・小林、元同僚のチェン・グァンユウ、同郷の元広島・大野豊氏に続いて、女子プロレスラーのアジャ・コングがビデオメッセージで登場。「知り合いから連絡がきて、『引退するんだって?』と。何事かとざわつきましたが、アジャ選手が引退ということで本当にショックでさみしいなと。引退するにあたり自分のなかでやりきった11年間だったんだろうなと思います。本当に11年間お疲れまでした」と労いの言葉を送った。

 井上はマイクの前に立ち、涙が止まらず。「カープファンである僕がマリーンズに入り、ここで終われること、幸せに思います。僕はマリーンズが大好きです。本当に悔いはありません」と挨拶した。仲間から胴上げされ、115キロの体が宙を舞うと、ファンからどよめきも起こった。

 ファン感謝祭では試合形式で戦う「白黒野球対決」で打席に。左翼線へポトリと落ちる安打を放つと、ファンから大きな拍手を浴びた。井上の目から涙がこぼれ、「思い出が詰まった最高のヒットです」と笑った。

 18年、19年には2年連続で24本塁打。風貌がアジャ・コングに似ているということから“アジャ”の愛称でファンからの人気を集めた。今季は出場機会がなく、11年間のプロ生活にピリオドを打った。

 井上のスピーチ全文は以下。

 「11年間…。すみません。お世話になったこの球場、このユニホームにお別れをするときがきました。皆さんの熱いご声援に応えるためにいっぱい練習し、何とか結果で見せられるよう、毎日の試合、気持ちを入れて熱い気持ちでやってきましたが、皆さんの声援に応えることが自分の中で厳しいと判断し、引退します。

 これまでたくさんの恩人にたくさんの言葉をいただき、経験して学んでこれました。今後はその経験と、学んだことを伝えていきたいと思います。振り返ると、この11年間、1、2軍いったりきたり、いろんな経験をし、2018年から、やっと出られるようになり、自分の持っているものを出すことができました。常に後輩である中村奨吾が厳しい言葉をくれていたので、ここまでできたのかなと思います。中村は会長としてチームを見ていますが、彼にもこれからもっと頑張ってほしいと思います。

 最後になりますが、カープファンである僕がマリーンズに入り、ここで終われること、幸せに思います。僕はマリーンズが大好きです。本当に悔いはありません。今日で引退します。皆さんありがとうございました」