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学生や配偶者など、収入が103万円を超えた時に所得税がかかり、扶養から外れてしまういわゆる「年収103万円の壁」。国民民主党は、壁を178万円まで引き上げて、働き控えを減らし、手取りを増やそうとしています。熊本県の木村敬知事は15日、178万円に引き上げられた場合、市町村を含めた県全体の税収が485億円減るという試算を示しました。

国民民主党が所得税の基礎控除などを178万円に引き上げるよう求めている、いわゆる「年収103万円の壁」。自民・公明・国民民主の新たな経済対策に向けた政策協議が行われています。手取りが増えるのではと期待の声がある一方、心配されるのは税収の減少です。

木村知事は15日の定例記者会見で、目安とされる178万円への引き上げを想定し、県内の個人住民税への影響を明らかにしました。
■熊本県 木村敬知事
「はっきり言えば財務省と国よりも、地方の方が影響が大きいと思っています」

試算では、県が150億円、市町村が335億円の減収。つまり、熊本県全体で485億円のマイナスになるとしています。これは、昨年度の県全体の税収約1695億円の3割近くになります。

■熊本県 木村敬知事
「減収になるというのは、その分だけ住民サービスが低下してしまいますし、特に県単独でやるようなきめ細やかなサービスをやめざるを得なくなってくるということも懸念されます」

木村知事は、国から地方へ減収を埋めるための補助があるのか見通せないとし、「国は慎重に議論し、影響を見極めてほしい」と話しました。

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
国民民主党は、103万円の壁の撤廃による年収に応じた減税の額を試算しています。

(永島由菜キャスター)
年収200万円の人は年間8万6000円、300万円の人は11万3000円、1000万円の人は22万8000円の減税になるといいます。

(緒方キャスター)
日本FP協会熊本支部支部長でファイナンシャルプランナーの橋本和幸さんは、「年収がアップして厚生年金を支払っても、将来もらえる年金が増える。手取りが増えれば消費活動も増えると見込まれ、企業にもメリットがある」と話しています。