4歳児「お風呂イヤ!」が止まった!? 親を悩ますイヤイヤ期のお風呂嫌い問題と克服術
X(旧Twitter)で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている「ひみつのうつ子ちゃん」(@utuko_chan)。「いいね」1万超えも多数! 人気の秘密は、「あるあるの共感力」です。そんな話題のポストでは書ききれなかったエピソードをうつ子ちゃん自身が執筆。
4歳の息子さんは、大のお風呂嫌い。巷で噂のお風呂に誘導する技を駆使しても効果なく、毎日お風呂の時間になるとバトルが展開されるといいます。そんな子どもお風呂問題に打開策が! Xで話題を集めた「いいね」やお風呂に入る秘策とはいかに?
お風呂嫌いなお子さん、どうしていますか?
先月4歳になったばかりの息子は、お風呂が大嫌いだけどお風呂が大好きです。毎日毎日、来る日も来る日も「お風呂イヤなの!」と駄々はこねるのに、いざ入ると「まだ出たくない!」と指がシワシワになるまで浸かり続けます。まるで吉本喜劇のように、オチはわかっているのですが、毎日繰り返されます。「お風呂入ろうか」で「わかった!入る!」となったことは一度たりともありません。
よくお風呂を嫌がる理由として、顔が濡れることがイヤだったり、シャワーの勢いや音が苦手だったり、熱い湯船に入ることが怖い、ということが原因になったりすると聞いたことがあります。我が子も熱めのお風呂が苦手なので、お湯の設定温度を低めに準備したり、バスボムとかお湯に入れると色が変わったりするお風呂で遊べるおもちゃを買ったりと、色んな工夫を試行錯誤してきました。
こんなに知恵を絞っても結局、「お風呂入ろうか」→「イヤ!」なんですよね……。プールにいけば嬉しそうに水に潜るので、顔が水に濡れるのがイヤということはありません。シャワーも怖がりませんし、入ってしまえば楽しそうにおもちゃでも遊ぶので、お風呂がつまらないというわけでもありません。どうしてなんだろう、と息子を冷静に観察してみると、原因は風呂以外にあることがわかってきました。
それは「今やっている遊びをやめたくない」「熱中していることがあるのに、それをやめてまでお風呂に入りたくない」、これが一番の理由だったのです。
あまりにもお風呂を毎日嫌がるので、児童心理学を専攻していた知人にそのことを話すと、「2〜4歳、いわゆるイヤイヤ期と言われる時期の子どもは、脳の前の方にある、記憶や感情の制御、行動の抑制などに関係する“前頭前野”が未発達で、気持ちを切り替えるのが苦手で、AからBという行動に変わるときに、イヤっ!ってなってしまうんだよね」と教えてくれました。なんとわかりやすい解説! さらに「どんな子でも起こるプロセスで、成長とともに前頭前野も発達していくケースがほとんどなので、心配することはない」とアドバイスしてくれました。なるほど……。
しかし、それにしてもどうしたらお風呂にすんなり入ってくれるのか……、そんな風に悩んでいた日々でしたが、今のところ勝率8割越えの必殺技を見つけました! 今回は、息子のお風呂入らない問題の秘策についてのエピソードをお伝えしたいと思います。
抱きかかえて無理やり入れる、は簡単じゃない
子育て中のご家庭はどこもそうだと思いますが、我が家も一日が瞬きのごとく、あっという間に過ぎ去ります。
朝ごはんを食べるのがナマケモノのようにスローな息子を急かしながら、まるで『クレヨンしんちゃん』の野原一家のような忙しい朝からはじまり、息子の無事登園が完了したら私は在宅で仕事に没頭。その後は気づけばもうお迎えの時間……。子どもを預けている時間って、どうしてあんなにも早く過ぎ去っていくのでしょうか。そして、保育園にお迎えに行けば「おなかすいた!」と100回くらい連呼する息子の手を引きながら帰宅した私は、すぐに夕飯の支度にとりかかります。
ご飯中にお風呂を沸かし、ご飯を食べ終えた息子はお気に入りのブロックで遊びます。最近の彼の鼻歌はマイケル・ジャクソンです。「エニエヂュウォッケイ♪」と言いながらブロックで遊んでいます。そんなマイケルな息子に「お風呂沸いたし、入ろうか」と声をかけるのですが、ここから毎晩恒例「お風呂に入ってほしいママ」VS「お風呂に入りたくないマイケルな息子」との戦いのゴングが鳴るのです。
「お風呂イヤー!」の戦いは20分で終わることもあれば、1時間半くらいかかることもあります。「そんなん抱きかかえてお風呂に連れていけばいいのに」と思う方もいるでしょう。そうです、私もそう思いました。でも、息子は現在15kg超え。私は小柄で力も弱いため、釣りたてのマグロのようにピチピチと暴れる息子には太刀打ちできないのです。抱きかかえるもののKOになったこと数知れず。そんなこともあって、納得させてお風呂に連れて行かねばならないのです。
今日も息子のお風呂どうしよう、と思っていたある日、閃いたのです。「私が息子をお風呂に連れていくのではなく、息子に連れて行ってもらえばいいのでは!?」と。でも、ここで普通に「ママをお風呂まで連れ行って」とお願いしても、イヤイヤ期の子どもの心は掴めません。「ママのこと、絶対にお風呂まで連れて行かないでね」と伝えました。「絶対にお風呂まで連れて行かない」の部分を特に強調して言いました。
これ、「カリギュラ効果」というそうです。心理学用語ではないのですが、「禁止された行動に対して、逆に関心が高まる」といった心理現象を表すときに使うそうです。イヤイヤ期の子どもは、このカリギュラ効果が功を奏することがあります。
お風呂に行くまでのプロセスを遊びにしてしまう
予想通り、息子は言われた途端にニヤリと笑みを浮かべて、私のお尻をうれしそうに押しながらお風呂場まで連れて行ってくれたのです。あれだけ拒否していたお風呂なのに、たった一言でここまでの変わりよう。知人が言っていたように、「小さな子どもは、行動や気持ちを切り替えることが苦手」なのであれば、無理に気持ちを切り替えてお風呂まで連れていくということをせずに、カリギュラ効果でスイッチを入れつつ、遊びの要素を加えてお風呂場まで行くことを試してみたのです。
それ以来、私と夫は、カリギュラ効果を使いながらリビングからお風呂までのルートをいかに遊びながら楽しく移動できるのか、を考えるようになりました。例えば、「パパのお尻たたかないでね、音が出ちゃうから〜」などと言いながら、夫のお尻をパシパシと叩きながら移動したり、夫も息子のリズムに合わせて「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」と叫びながらお風呂場に向かうのです。第三者にとってはかなりシュールかもしれませんが、私も夫も笑いながらも必死です(笑)。
この“カリギュラ効果+お風呂場まで“遊びながら移動する”という考え方にかわって以来、息子とのお風呂バトルは、5分もあれば試合は終了するようになりました。
考え方をちょっと変えるだけで、行動にも変化が生まれることを感じました。そして、お風呂に入る前の息子を観察していると、大人のように「ちょっと一息」とか「ボーっとする」っていう時間が1秒もないのです。これは我が子だけなのかもしれませんが、ずーーと遊び続けます。この持久力と集中力はすごいな、と思います。また、外に出れば小さな石ころでも形に興味を持ったり、植物や虫を観察したり、本当に好奇心の塊です。こうやっていろんなことに興味を持ち、確かめながら子どもって大きくなっていくんだなと実感します。
遊びながらお風呂場まで連れていくことも、忙しいと大変と思ってしまうこともあります。でも、私はこの子どもの尽きない好奇心を大切に育てていきたいと思っています。好奇心がある限り、きっと人生は楽しい! 私も学び続ける人生を送り続けたいなと思っています。ワッショイ!