次期米財務長官候補、ベッセント氏有力か ポールソン氏が外れる

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[12日 ロイター] - トランプ次期米政権の財務長官候補として、著名投資家ジョン・ポールソン氏が撤退を表明したことを受け、著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資ファンドの運用担当を務めたスコット・ベッセント氏(62)が有力候補に残った。

ポールソン氏は12日、トランプ次期政権で財務長官に就任しない考えを表明。自身の「複雑な財務上の義務」によって、公職に就くことはできないと説明した。ポールソン氏は次期財務長官の有力候補と目されていた。 

ポールソン氏は声明で「引き続き大統領の経済チームに積極的に関与し、トランプ氏の卓越した政策提案の実現を支援するつもりだ」と述べた。

名門エール大卒のベッセント氏は、ソロス氏一族が運営するソロス・ファンド・マネジメントの運用担当となった直後の1992年に、ポンド売りを仕掛けて10億ドル超の利益を上げたことで広く知られる取引に関わった。2015年にはソロス氏からの出資を含めて45億ドルを調達し、マクロ投資のヘッジファンド「キー・スクエア・グループ」を立ち上げた。

ベッセント氏はトランプ氏一家と30年来の親交があると述べており、2016年の大統領選でもトランプ氏を支持。今回の選挙戦では資金調達のみならず、陣営の経済アドバイザーとしても貢献した。

ベッセント氏は銀行融資やエネルギー生産の促進などに向け税制改革や規制緩和を訴えてきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)への最近の寄稿では、トランプ氏の大統領選勝利後の株価上昇について、投資家が「経済成長加速やボラティリティーとインフレの低下、全ての米国民のための経済活性化を期待している」からだと論じた。