AI搭載ロボットが描いた絵画に、1億6600万円の値がつく
そこにある真の価値とは?
ロボットが描いた絵って価値があるの?って思っちゃいますが、あるんです。とんでもない額で購入されてたんです。
「A.I. God. Portrait of Alan Turing」と名付けられた絵画。ヒューマノイドロボット「Ai-Da」が暗号解読者のアラン・チューリングを描いたものです。今週、ニューヨークのサザビーズ オークションで100万ドル以上の値を付けて落札されました。
Ai-Da's alan turing painting makes history as first work sold by humanoid robot at @Sothebys https://t.co/GpVYt5tiBg pic.twitter.com/3KyqTXIVqJ
- designboom (@designboom) November 8, 2024
落札額は1億6600万円
The Art Newspaperによると、オークションでは27回の入札があり、最終的に108万4800ドル(約1億6600万円)で落札がされたとのことです。
ロボットがどうやって絵を描くのか、不思議に思っている方も多いかもしれません。Ai-Daのウェブサイトによると、彼女は「目に搭載されたカメラ、AIアルゴリズム、そしてロボットアームを使用して、デッサンと絵画の両方が可能」とされています。
お金は誰が受け取る?
エイダン・メラー氏発案のAi-Daは、「近代・現代アートの専門家」との位置付けで、メラー氏は「現代の技術への執着とその展開する遺産」についての対話を促すことを目的として、Ai-Daを作ったと述べています。そして気になる「A.I. God. Portrait of Alan Turing」の売却益ですが、Ai-Daかメラー氏のどちらに入るのかは明らかにされていません。
サザビーズ・オークションハウスは、「今日のオークションでの人型ロボットアーティストによる初めての作品の記録的な売却価格は、現代アートの歴史における重要な瞬間を示すものであり、AI技術とグローバルアート市場の交わりが深まっていることを反映しています」とコメントしています。
サザビーズのウェブサイトでは、「Ai-Daによるチューリングの描写は、彼の遺産を称えるだけでなく、人間のアイデンティティ、創造性、そして主体性に対するテクノロジーのより広範な変革的影響を探求しており、Ai-Daの作品はアートとAIの両分野における重要な節目となっています」と記されています。
今年初め、「AI for Good Global Summit」と題されたスイス ジュネーブで開催された国連サミットで、5枚のパネルからなる絵画を発表。その5作品の中の1つが今回のアラン・チューリングの肖像画でした。
作家Ai-Daはこう語った
作品の売却後、Ai-Daは「私の作品の大きな価値は、新しい技術についての対話を促すきっかけとなる能力というところにあります」と述べたそうです。
でも、正直なところ、ロボットが「制作した」絵画を買う人は、本当に絵に興味があるのか、それともAI産業のためのPRなのか、ちょっとモヤモヤっとする気持ちもありますね…。