落選し、支援者に対して頭を下げる丸川珠代氏(撮影・高石航平)

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 第50回衆院選は27日、開票され、東京7区に参院議員からくら替え立候補した自民党の丸川珠代元五輪相(53)が落選確実となった。午後8時になってまもなくの決着で午後10時30分頃に静まり返った東京・港区の事務所に少しうつむきながら入室してくると、集まった約20人の支援者に深々と頭を下げた。

 丸川氏は自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件に関与。政治資金収支報告書に5年間で822万円の不記載があり、党から夫である大塚拓氏とともに戒告処分を受けたことが響いた。支援者に向け「まずご支援いただいた皆様には大変なお力添えをいただきました。にもかかわらずよい結果が出せなかった。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪。「私の力不足だと痛感しております。これまでの活動でご理解がいただけなかった」と受け止めた。

 参院から衆院にくら替えし、東京7区で立候補した今回は党の公認は得られたが、比例代表への重複立候補は認められず小選挙区のみという背水の陣だった。選挙期間中には街頭で「どうかお助けください」と道行く人たちに懇願する姿が話題となっていたが、有権者に思いは届かなかった。

 丸川氏は93年に東大からテレビ朝日にアナウンサーとして入社。07年に当時の安倍晋三首相の意向もあって第21回参議院議員通常選挙に出馬し初当選した。12年から厚生労働大臣政務官、21年に東京五輪・パラリンピック担当大臣など安倍内閣で大臣職を歴任。当選3回で17年間務めた議員の職を失った。