『ニッポン放送開局70周年記念 ナインティナインのオールナイトニッポン歌謡祭』(C)ニッポン放送

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 横浜アリーナいっぱいに詰めかけた1万2000人、そして多くのリスナーたちが配信を通じて「馬鹿になれ!」を実践した4時間超のお祭りだった。ナインティナインがパーソナリティーを務めるニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木曜 深1:00)のイベント『ニッポン放送開局70周年記念 ナインティナインのオールナイトニッポン歌謡祭』が26日、横浜アリーナで行われた。番組スタートから30年、ニッポン放送は開局70周年というメモリアルなタイミングに、鈴木雅之、DA PUMP、ano、久保史緒里(乃木坂46)、秋山竜次(ロバート)、ネクライトーキー、高須克弥、SPゲストとして原口あきまさが登場。「おなじみ」の展開で魅了しつつ、新たな挑戦も行われた。

【写真たくさん】岡村隆史”無課金おじさん”に 渋い表情で撃ち込む

■影ナレはチャック三浦氏 オープニングからフルスロットル

 開演前の影ナレはチャック三浦が担当。チャック三浦とは“キング”の愛称でも知られる、三浦憲高氏のことで、TBS系『サンデーモーニング』のスポーツコーナーで「喝!」と「あっぱれ!」のSEを務めていたという過去でも知られる。『星野源ANN』では“クマさん”の愛称でも親しまれているなど、多彩な顔を持つ。

 リスナーの気持ちも高まる中、おなじみのBGM「燃えよドラゴン」が流れ出すと、会場のペンライトが真っ赤に染まり、観客が立ち上がっていく。ピークに達したところで、パリオリンピックで話題となった“無課金おじさん”風の岡村隆史が登場。道順を間違えてしまうハプニングもありながら、無事にステージに上がり、本家同様に銃をかまえて、Jリーグ開幕時の「キングカズ」オマージュの大きな風船をめがけて撃つも、ことごとく外してしまう。ついには自らの胸に当たってしまい、倒れる演出もあったが、会場全体の「岡村」コールで見事に生き返り、無事に風船を撃ち抜き、風船の中から矢部が登場した。その後「POISON〜言いたいことも言えないこんな世の中は〜」を2人で歌唱して、盛大に幕開けした。

 開演の余韻に浸るのも束の間、すぐさまトップバッターのDA PUMPが登場。「Pump It Up! feat.TAKUMA THE GREAT」パートでは、岡村隆史が登場し、豪華な“ダンスコラボ”が実現した。パフォーマンス後のトークでは、岡村が「去年(アキレス腱を)断しましたので、今年は目一杯やらせてもらおうと…」と笑顔。親交の深いDA PUMPとのトークも弾み、岡村がISSAを「邊土名」「平成の火野正平」呼びするなど、リスナーになじみのある話題を出しながら話をしていた。

 2番手として登場したのは、番組では「カリスマボイストレーナー」として親しまれているロバート・秋山竜次。以前、『ナイナイANN』リスナーから寄せられた大黒摩季「熱くなれ」冒頭の歌詞について「ペニゲリオン」という造語を生み出した秋山先生。その後、大黒本人の耳に入り、正式に“公認”をもらったことを受け、この日の最後に「熱くなれ」を全編ペニゲリオンで披露した。息も切れ切れの秋山先生だったが「お前たち、ペニゲリオンだ!」「横浜ペニゲリオンアリーナ!」「ペニティナイン」と大興奮。その後、ナインティナインも交えて、ラジオ同様にリスナーから寄せられたFAXをもとに、秋山が即興で“カリスマボイストレーナー”としての本領を発揮していた。

 「秋山先生」のあとには、高須クリニックの高須克弥院長が登場。会場の拍手に後押しされて登場した高須氏は、ステージに立つなり、スマホを取り出し、ナインティナインとの”公開自撮り”を実施。番組内で、岡村隆史が整形に興味を示していることが話題となると、高須氏は興味津々となりながらも「していいのかなって。今の岡村さんが好きな奥さんですから」と語り、岡村は「ホンマのこと言いますと、糸でつり上げてほしいです」と明かした。その後、高須氏による豪華プレゼントをかけて「矢部浩之のそうそうそうそう」クイズ」を開催。番組コーナーにもなっている「そうそうそうそう」だけで、番組のキーワードを表現する企画が行われた。

■久保史緒里の本音?「パクチー苦手」 ナイナイ新境地からの「ロイヤルミルクティー」聞く時間

 高須先生のあとには「食べ物企画」に出演し「なんでも食べてくれる」でおなじみの乃木坂46の久保史緒里。久保は、まずはひとりで登場して「おひとりさま天国」を歌唱。その後、ナインティナインとともに歌い上げた。歌唱後のトークでは、久保が食べ物企画について「去年のシソは好きです!」と明かしながら、今年のパクチーについては「想像していたお店じゃなかった」とポツリ。岡村から「パクチー苦手なんですか?」と確認されると、食い気味に「はい!」と応じて「でも、岡村さんのお店に行きたかったので、1年間、パクチー苦手って言うのを禁止にしていたんです。まさか、あんなことになるとは」と笑わせた。久保がこどもの頃『ナイナイのお見合い大作戦!』(TBS)が大好きだったことにちなみ、同番組で使用されていたいきものがかり「キミがいる」を歌い上げた。

 久保の後には、矢部のソロパート。Mr.Childrenの楽曲を歌いながら、ゴンドラに乗って会場を回っていった矢部。トークパートでは「ちょっと、やべっち踊ってみようと思います」と切り出すと、一世風靡セピアの「前略、道の上より」を踊りながら歌唱した。サプライズゲストとして原口あきまさが登場すると、会場から大きな歓声が上がった。最後は「好きなことを歌謡祭ではやりたいなと。サザン好きやけど、サッカーも好きやなと。サッカーとサザン、一緒にします。これもチャレンジ企画なんですけど。リフティングしながらサザン歌いたい」とチャレンジして、沸かせていた。

 続けて、岡村のソロパート。 松山千春「長い夜」を歌いながら、会場を回っていった岡村は「去年、本当に申し訳ない、アキレス腱を断しまして。今年はトロッコに乗らず、自分の足で1周させていただきました」と報告。「去年は、めちゃイケのようなもので断してしまいまして、相互演出も申し訳ないと。詳しいことは、またみなさんに報告できる日がくると思います。今回、歌謡祭で精いっぱいやらさせていただこう」と宣言した。その後、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」を完コピすると、会場から大歓声。「半年以上練習したぜ!どうだった?きのうカラオケで20回歌ったよ」と奮闘ぶりを明かした。最後は、リスナーの心の折れたエンジェル氏から寄せられた「マツケンサンバII」の替え歌「パクチーサンバII」を熱唱した。

 ナイナイ2人が、それぞれチャレンジな企画で成功を収めて、会場のテンションも上がってくる中、かねてから話題にあがっていた反町隆史の楽曲「ロイヤルミルクティー」をただただ聞くという、前代未聞の企画が行われた。発端は今年1月の放送で、岡村が同曲の歌詞の中に「それ」などといった指示語も含まれていることに触れ「国語の文法の勉強にもなりますから。それは何を指していますか、ロイヤルミルクティーですと…」と考察を行う意義を強調。矢部浩之は「解釈はそれぞれじゃない?」としながらも「深いな。聞けば聞くほど」と虜になっていった。こうした流れを受けて、この日は「ロイヤルミルクティー」をただただ聞く会が実現。矢部が「ラジオ聴いていない人は怖いと思います」と予告した通り、「ロイヤルミルクティー」をしんみりと聞くだけの穏やかな時間となり、矢部も「横アリの無駄遣いです(笑)。何、この時間?」とツッコミを入れた。さらに、同じく番組で話題となった反町の「メッセージ」の一節も流れるなど、不思議なひと時となった。

■anoの思い込もったパフォーマンス&MC 鈴木雅之が圧巻のパフォーマンス

 イベントも終盤へと差し掛かり、anoが登場。見事な歌唱を披露した後、MCパートで、anoは「はじめまして、anoです。歌謡祭呼んでくれて、ありがとうございます!すごいですね。人もすごいし、ナイナイさん、まだやるかっていうか(笑)、本当にすごいなと思って。いろんなことがありながらも、こんな長く続けていること、ラジオとかも、僕自身もパーソナリティーやらせていただいていますけど、どんなクソな1日でも、1日の最後に好きなラジオがあるっていう、ラジオの存在だったり、ナイナイさんも存在し続けてくれている絶対的なところがかっこいいなと思って、僕もそうなりたいなと思いながら生きています。きょうは、ここにいてくれてありがとうございます!」と呼びかけた。

 番組のエンディングを歌唱しているネクライトーキーが続けて登場し、イベントもいよいよ終わりのムードが漂う中、大トリを鈴木雅之が努め、圧巻の歌唱力で会場をたちまち魅了。ナイナイとともにトークし、岡村から「芸能界で一番ケンカが強いのが雅之さんって」と向けられると「いつもそれ言ってるよね(笑)?チコちゃんにも怒られたから」とにっこり。岡村が「雅之さんはいつも否定しなくて、腰は低い方ですっていうんです」と続けると、鈴木は「そうなんです。腰は低い方です」と笑わせた。さらに、岡村がダイアンの津田篤宏が鈴木のものまねをしていることを触れると、鈴木が「津田くんは、だいぶ最初の頃にやってますとごあいさつに来てくれて。その時に、サングラス持っていかれました。公認です。彼とコージー冨田は公認です」と太鼓判を押していた。

 出演アーティストたちが勢ぞろいしたエンディングでは、これまで恒例となっていた矢部浩之を筆頭に全員で歌唱する「HOWEVER」を今回は歌わず、全員で「め組のひと」を歌って大団円。新たな形でのエンディングとなったが、矢部は「やっぱりね、締まりました」、岡村も「FNS歌謡祭っぽくなったんじゃないかな」と胸を張っていた。今年は親子席が設けられるなど、新たな取り組みを積極的に行っている『ナイナイ歌謡祭』。主役の2人が、その変化を示すように、果敢にチャレンジする姿にリスナーも感動し、一方では変わらない姿も堪能できるなど、さまざまな楽しみ方を提供する形となった。