なでしこ北川ひかる、先制点を決めた韓国戦後の一問一答「好きですね皆さんそれ(笑)」 最後に明かした「地元石川県への想い」
26日にパリ五輪後最初の試合で韓国と対戦したなでしこジャパン。
序盤は相手を攻めあぐねたものの、32分の先制点を皮切りに5分で3点を奪うと、後半にも1点を追加。終わってみれば4-0の完勝だった。
貴重な先制点を挙げたのは、左サイドバックの北川ひかるだった。
遠藤純の負傷離脱に伴い、今年2月に代表復帰を果たすと、北朝鮮との五輪最終予選で活躍。そのままポジションを不動のものとした。
韓国戦でも積極的に高い位置を取りながら攻撃に厚みを出し、体を張った守備も目立った27歳。紛れもなく現在のなでしこの中心選手の一人だ。
先制点をアシストした長谷川唯とは同い年の北川、韓国戦後の囲みでの一問一答をお届け。
――大量得点での勝利。試合を振り返って。
前半で3点取れて、自分自身もコーナーキックから点を取れましたし、その3点というのは大きかったなと思います。
――五輪と違い4枚のDF。意識したこと。
しっかりとゾーンで守ったり、今回はアグレッシブにアプローチに行くというところだったり。今までは5枚だったりでウィングバックのポジションをやることも多かったです。
4枚のサイドバックというところで、個人的な強さというところも、海外に行ってからやってきましたし、それを少しでも表現してプレーしたいなと思っていました。
――最初の10分15分などなかなかリズムが作れなかった中でのヘディング弾。ゴールシーンを振り返って。
あの時間帯で得点が取れたというのは、チームとしても本当に大きかったと思います。
コーナーのニアは自分自身も得意なポジションなので、ヘディングでゴールを決められて良かったです。
――走り込んだあのコースの位置取りは、内田篤人コーチの…。
いや(笑)、あれはショートとかは戦略としてあったんですけど、(長谷川)唯さんのボールがやっぱり自分自身の中でニアに来ると思っていましたし、どういう軌道でボールが来るかもわかっていました。そういう中でタイミングが合ったかなと思います。
――内田コーチから指導されたのかと思っちゃいました。
そういうセットプレーの指導もありましたけど、全体としてセットプレーの攻撃で点を取っていくというのも、こちらの戦略でもありました。しっかり取れて良かったと思います。
――監督はまだ代行ですが、新しいチームで最初の得点。
自分自身、コーナーで中に入っていく…代表で中に入って競っていくということあまりなかったんですけど、今回そのチャンスをもらえました。
自分も得意ですし、思い切って突っ込んでいこうというところで、うまく得点が取れたことは個人としてもよかったなと思います。
――34分の2点目の場面では北川選手の守備がきっかけに。あれは今回の代表で体現したい形だったか。
【MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024
🇯🇵なでしこジャパン 2-0 韓国🇰🇷】
🕑前半34分
🇯🇵 こぼれたボールを #田中美南 が拾い #藤野あおば がゴールへ押し込むシュートで追加点‼️
📺地上波 #TBS 系列で放送中‼️
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— TBS サッカー (@TBS_SOCCER) October 26, 2024
前線からの守備というところで、ボールを取られて、切り替えのところで下がらずに前に行くところはうまくできたかなと思います。
――8分のセットプレー。右サイドで長谷川選手の縦へのパスから抜け出して、右足でクロスを上げた場面は内田コーチから仕込まれたマル秘の形だったのでは。
好きですね皆さんそれ(笑)。欲しがってますね〜(笑)。いやぁ、どうなんですかね。まあでも…それはちょっとわからないです自分、わからないです(笑)。
――なんでも内田じゃないんだよ、と(笑)。
そうですそうです、本当に(笑)。でも本当に、個人的にサイドバックの部分で自分自身が今まで悩んでいたことだったり、このときはどうしようというところをウシさん(内田)が教えてくれたりもしますし、自分にとっては本当にありがたいコーチだなと思っています。
――わかりやすく具体例を一つ挙げてもらってもいいですか。
いやぁ、それはちょっとやっぱり秘密ですね(笑)。すみません。
サイドバックをやっていたからこそわかることというか、悩みだったり、どうすべきかというところ…細かいところなので。自分が成長していたら、内田さんが上げてくれたと思ってください(笑)。
――海外に行って(※今年8月にスウェーデン1部のヘッケンに移籍)、対人の部分を含めこの試合での守備の評価は。
個人的に海外に出て、スピードのある相手だったり体格の大きい相手に対して、どうやって自分が対峙していくのかを毎日体感していく中で、当たるタイミングだったり、最初に相手を吸収するスピードだったり、そういうところは細かくやってきています。
今回もうまくいったこともありますし、それは継続してやっていきたいなと思っています。
――先制点や追加点の守備など、試合の流れを決定づけたのが北川選手の働きだった。自信や手応えは。
一戦一戦に全力で向き合っていくというところが、自分自身のやり方です。
今日の試合に関しては、最初なかなかうまくいかない時間帯もあった中でセットプレーで点を取って流れをつかめて、2点目もすぐ入ってというところでいい形に持っていけました。そこに貢献できたのは個人的にも良かったかなと思います。
――先制点を決めてベンチで喜びを分かち合ったあと、最後に内田コーチからアドバイスを受けていたように見えた。何を伝えられたのか。
自分が高い位置をとって背後とかを取りに行くのも、行けるから全然いいですけど、センターバックの距離が結構開いてしまってリスクがあるときも多かったです。それは自分自身でもわかっていました。
そこのリスクをかけるのか、どうするのかというところは、もっと判断して…別に自分がもっと低い位置でもらっても全然いいし、という話をしてくれて。
確かにリスクのところは自分自身ももっと流れを考えながらやらなきゃいけないですし、ありがたかったなと思います。
――五輪前も地元の石川県への思いを聞かれていたが、海外移籍している間に今度は集中豪雨に見舞われて。改めて届けたいメッセージがあれば。
本当に、“続いてしまっている”という現状を自分自身もわかっていますし、つらい思いをしている方もたくさんいる中で、自分は今海外でプレーしたり、こうやって日本に帰ってきてプレーしたり。
とにかく地元の方も応援してくれていると思いますし、逆に自分自身がそういうつらい思いをしている方々に少しでもパワーを届けられたらという思いで毎日過ごしています。
今日の勝利もしっかりと何かを届けられていたらなと思います。