[10.26 国際親善試合 日本女子 4-0 韓国女子]

 ポジション移動が功を奏し、勝利に貢献した。日本女子代表(なでしこジャパン)MF藤野あおば(マンチェスター・C)は前半34分、FW田中美南の折り返しを決めてチーム2点目を記録。試合後のフラッシュインタビューでは「個人的にゴールの中に入っていくところは意識していた。あとは美南さんが頑張ってくれるのを待っているだけだったので、美南さんのおかげで決められたゴール」と笑顔を見せた。

 自身の得点にも喜びを語ったが、「狙い通り」と語った得点は前半37分に田中が決めた3点目だった。右サイドハーフで先発した藤野は30分近くに2トップのMF清家貴子とポジションを交代。「ノリさん(佐々木則夫監督代行)から貴子と代わってと伝えられた」。練習から行っていたポジション移動でもあり、意思疎通はできていた。1.5列目のスペースを動き、攻撃を円滑化させた。

 前半37分の田中の3点目は、藤野が起点となった。藤野は中盤まで下りてMF長野風花からパスを受ける。入れ替わりで前線に動いたMF長谷川唯にパスを出すと、長谷川から田中につながり、ゴールが生まれた。藤野は自身の1.5列目の特徴を語る。

「FWではポストプレーヤーではなくて、1.5列目の空間で受けて前を向くところは自分の特徴。相手のライン間も空いているなと気になっていた。(ポジション移動は)そういう意図があったのかなと思う」。その意図を汲んだ結果に生まれた田中のゴール。藤野は「それが形にできた」と強調し、「使うべき選手がそのスペースを使って最後にゴールネットを揺らせられたことがよかった」と手応えを口にしていた。

(取材・文 石川祐介)