田崎史郎氏 非公認候補側へ2000万円支給の決裁者は?実名告白「どっちか、あるいは両方かも」
政治ジャーナリスト田崎史郎氏が25日、BS−TBS「報道1930」(月〜金曜後7・30)に出演し、自民党の派閥裏金事件を受けて衆院選(27日投開票)で非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党が2000万円を提供したことについてコメントした。
森山裕幹事長は「政党支部に対して、党の組織として、しっかり党勢拡大のための活動をしていただきたいという趣旨で、党勢拡大のための活動費として支給したもの」とし「候補者に支給したものではありません」とコメントを発表した。また石破茂首相も遊説先で「非公認候補に出しているのではない。選挙に使うことはまったくない」と釈明し、「このような時期にそういった報道が出ることに憤りを覚える」と述べた。一方、立憲民主党の野田佳彦代表は「裏公認だ」と批判している。
裏金事件で非公認となり、無所属で選挙を戦っている萩生田光一氏は、自身のX(旧ツイッター)に動画を投稿。「率直に申し上げて、選挙直前の非公認の基準、そして今回の政党交付金の交付に関する執行部の対応、首をかしげざるを得ません」と執行部を公然と批判し、「正直申し上げて、ありがた迷惑な話だと思っています」とも述べた。
政治とカネがテーマの選挙戦のまっただ中、またしても金が絡んだ問題。田崎氏は「今回のことは自民党執行部のミスですよね」と指摘した。さらに「抽象的な言い方ではなく、これだけのお金を動かせるのは、総裁と幹事長が決裁しなければお金は出せませんから、どっちか、あるいは両方かもしれません。石破総裁と森山幹事長の判断ミス」と、実名を挙げた。
判断ミスと断言する理由について、「別に選挙期間中にわざわざ交付しなくても、選挙が終わった後でもよかった」と説明した。さらに2000万円という金額が意味するものにも言及。2000万円は、税金を原資に、党本部から党支部の公認候補に提供される公認料500万円、活動費1500万円の合計と、くしくも同額であるため、「交付する際に、公認料なんじゃないの?と言われる部分の500万を抜いて、1500万だけを出していれば、まだ説明が付くんですけど、公認料に該当する金額を出したから言われている」と解説した。
あらためて「トップ2人のミスだろうと思います。戦っている身からすると、だんだんうまくなりつつある時に、たたかれる材料を執行部の方が提供したという不満だろうと思います」と、候補者側に同情した。
また、執行部が2000万円を支給した意味については「非公認にした人たちにかわいそうだという気持ちを抱いたんじゃないかと考えられますね。今回は厳しい措置を取ったけれども、悪いことしたなという部分があるから、お金を出しておこうかという発想になったんじゃないかと思われる」と、推測を交えて話した。