羽田空港で実施された旅客機事故の消火・救難訓練(24日)=古厩正樹撮影

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 東京・羽田空港で24日、着陸に失敗した旅客機が滑走路で炎上し、多くの負傷者が出たとの想定で消火救難訓練が行われた。

 1月の航空機衝突事故を受け、救急車両の誘導など13の訓練項目を拡充し、国土交通省、消防、医師会など96団体1026人が参加した。

 国際線の旅客機(乗客乗員182人)が着陸する際にB滑走路を逸脱し、停止後、左エンジンから出火して機体に燃え広がったと想定。実物の飛行機(ボーイング737―500型)を用意し、B滑走路付近の駐機スポットで実施した。消防車やドクターカーなど車153台に加え、救急のヘリコプターも出動し、消火や救助・医療活動の手順を3時間にわたり確認した。

 国交省の松岡慎治・東京空港事務所長は「情報共有などで連携し、効果的に動くことができた。訓練で出た課題は、しっかりフォローしていきたい」と話した。

 1月2日の日本航空と海上保安庁の航空機による衝突事故では、空港の外から駆けつけた救急・消防などの緊急車両に対し、制限区域内で必要な誘導が滞り、負傷者を乗せた救急車が30分ほど出発できなかった。

 国交省は1〜5月、消防や医師会、空港内事業者などと議論を重ね、事故当日の課題を検証した。そこでまとまった対策を踏まえ、今年の訓練項目に▽緊急車両対応班(増強)や医療機関誘導班(新設)による誘導対応▽空港、医療機関、消防の各指揮所間の共通無線機での連携――といった形で反映させた。