23日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は前日終値近辺の狭いゾーンでもみ合う展開が予想される。前日は欧州株市場がドイツやフランス、英国など主要国をはじめほぼ全面安商状となった。欧州でも米国債券市場での長期金利上昇が警戒されている。ただ下げ幅は総じて限定的なものにとどまった。米国では主要株価指数が高安まちまちの展開で、NYダウはわずかにマイナス圏で着地したものの、ナスダック総合株価指数はハイテク株に根強い買いが続いたことで5日続伸と上値指向を維持した。米国経済の底堅さが投資家心理を支えているほか、本格化する主要企業の決算発表への期待感が買いを誘導している。注目される米10年債利回りの動向だが、この日は一段と水準を切り上げ4.2%台まで上昇し、株式の相対的な割高感が全体相場の上値を重くしている。ただ、この日は国際通貨基金(IMF)が2024年と25年の米経済成長見通しを上方修正したことで、米景気のソフトランディング期待が高まり、リスクオフに傾斜することはなかった。7~9月期の企業の決算発表もおおむね好調との見方が広がっている。東京市場では日経平均が前日に波乱含みの下げをみせ、投資家のセンチメントが急速に悪化しているが、米株市場がバランスを保っていることを受け、きょうは値ごろ感からの押し目買いが下値を支えそうだ。ただ、27日に衆院選を控え、政局不安から積極的に上値を買い進む動きも見込みにくい。個別では東京地下鉄<9023.T>(=東京メトロ)の新規上場が注目を呼びそうだ。

 22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比6ドル71セント安の4万2924ドル89セントと小幅続落。ナスダック総合株価指数は同33.124ポイント高の1万8573.129だった。

 日程面では、きょうは9月の全国スーパー売上高など。また、海外ではG20財務相・中央銀行総裁会議(~24日)、9月の米中古住宅販売件数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、カナダ中銀の政策金利発表など。このほか、植田日銀総裁がIMF主催のイベントで登壇する。タイ市場は休場。

出所:MINKABU PRESS