22日の債券市場で、先物中心限月12月限は反落した。前日の米国市場で長期債価格が下落(金利は上昇)した流れを引き継いだ。米長期金利は時間外取引でも上昇を続け、円債相場の重荷となった。

 米大統領選を巡っては、共和党候補のトランプ氏と民主党候補のハリス氏のどちらが当選しても財政赤字が膨らむ可能性が指摘されている。米国の政府債務の増加とあわせて、米国債の発行が増加し、債券需給が中期的に悪化するとの見方も出ている。一方、国内では衆院選を巡り、自公が過半数を確保できない可能性が指摘されている。国内政治を巡る不透明感は債券の買い手控え要因となったようだ。債権先物は143円57銭まで下げる場面があった。

 この日は財務省が10年クライメート・トランジション(CT)債入札を実施した。応札倍率は3.31倍となり、前回(3.15倍)を上回った。流動性の課題が指摘されるCT債だが、入札を無難に通過したことは相場を下支えする要因となった。日銀は午後、「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を発表。9月の刈込平均値は前年同月比プラス1.7%となった。加重中央値はプラス0.8%、最頻値はプラス1.4%と、いずれも物価目標の2%を下回る状況を続けた。円債相場の反応は限られた。

 先物12月限は前営業日比32銭安の143円66銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は同0.025ポイント高の0.980%で推移。一時0.985%に上昇した。

出所:MINKABU PRESS