Photo: 武者良太

断言しましょう。これはお買い得なXRヘッドセットだっ。

VRゲーム/コンテンツを楽しむためのデバイスとしてはじまったOculus/Meta Questシリーズ。でもいまやゲームにとどまらず、「Supernatural」や「LES MILLS XR DANCE」といったフィットネスアプリや、「VRChat」「Horizon Worlds」などのソーシャルVRアプリ、「Immersed」や「Horizon Workrooms」らのバーチャルオフィスアプリなど、さまざまなユースケースを満たせるデバイスとなりました。

そんなQuestシリーズの最新モデル「Meta Quest 3S」のメディア向け内覧会があったので触れてきました。

改めてもういちど記しておきますか。128GBモデルで4万8400円となるMeta Quest 3Sは、ハイコスパでお買い得なXRヘッドセットですよマジで。

VRもMRも分け隔てなく使えるベーシックモデル

Photo: 武者良太

昨年、2023年10月にMeta Quest 3が登場したときは、高速なプロセッサと、改善したディスプレイ&パンケーキレンズの採用、さらにカラーパススルー機能の搭載によって、コンシューマー用XRヘッドセットの世界は一段と進化したと思わせてくれました。

今年登場のMeta Quest 3Sは、モデル名に入るSという文字から、さらなる高性能機じゃないかと感じるところがありました。ほら、Sの文字のイメージってスーパーとか、スピードとか、スペシャルの略語の印象があるじゃないですか。

フタをあけてみると、プロセッサやカラーパススルー機能はMeta Quest 3準拠。しかしディスプレイ&レンズはMeta Quest 2準拠のものが使われており、シンプルのSという意味があるんじゃないんだろうかと思えてきますね。

でも前述したように、Meta Quest 3Sの価格は4万8400円〜となっています。128GBモデルが7万4800円(2023年10月当時)だったMeta Quest 3Sより、大幅に低価格化。Meta Quest 2の価格に近くなりました。

これは朗報です。Quest用のVRゲームもMRアプリも、どっちもとことん遊んで使い倒せる最新モデルがいまの円為替でも5万円を切る価格で販売されるってことですもん。

VRゲームは良き、MRアプリも良きな画質

Photo: 武者良太

Meta Quest 2と同じ品質のフレネルレンズを採用したMeta Quest 3S。発売前からなぜか「画質が悪い」と言われちゃってる。

フレネルレンズに嫌な思い出があるのか、インターハイ出場をかけた最後の大会でフレネルレンズに負けた思い出でもあるのか、SNS上では嫌がられることが多いフレネルレンズ搭載機。でも、フラットな感覚でMeta Quest 3Sの映像を見てみると、特段に悪いと思える要素はありません。

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内覧会で試したのはVR映画&ゲームの「機動戦士ガンダム:銀灰の幻影」や、MR対戦FPS「SPATIAL OPS」、Xboxクラウドゲーミングサービスの「Xbox Cloud Gaming」などなど。まずアージェント・キール大喜利で盛り上がっているVRガンダムは、ストーリーや演出のツッコミどころが多い(なんで顔に深い影が入っているのに足元の影はないのか、など)ものの、スイートスポットが狭めのレンズを使ったMeta Quest 3Sでも映像の品質は良好。存在感の強いキャラクターが登場しまくることで、中央を集中して見ることが多くなるからMeta Quest 3の視界になれた身でも違和感はありません。

現実世界のなかにMRのゲームスペースが現れ、商業VRゲーセン級の対戦ゲームが楽しめるSPATIAL OPSの視界も良好です。普段からアップルVision Proを使っている他メディアの記者も「これは酔わなかった」と評価しており、カラーパススルーのクオリティは一定のレベルを超えているといえますね。

Photo: 武者良太

Xbox Cloud Gamingで遊んだMinecraft Dungeonsはネットワーク帯域が確保できなかったか、ややコマ落ちの現象があったけど、バッグで運べるし使わないときは棚にしまっておけるウェアラブルな大画面ディスプレイとしての魅力は味わえました。

ブラウザ画面を見たときに、細かい文字は読みにくいかもなと感じたけど、4万円台で得られるVR/MR映像クオリティは納得できるものがあります。

重量バランスが良く持ちやすいコントローラ

Photo: 武者良太

付属のコントローラはMeta Quest 3と同じもの。トラッキングのためのリングパーツがなくなったバージョンです。

これは握りやすいうえに重量バランスにも優れており、アクションゲームで遊びやすいんですよね。すでに発売されているサードパーティのグリップストラップなども利用できますから、好みに応じてカスタマイズできますよ。

Photo: 武者良太

ハンドトラッキングの精度も上々ですね。低価格モデルといっても、Meta Quest 3を使っている感覚と変わりません。

視界がクリアなQuest 3か、コスパ良しなQuest 3Sか

Quest 3S(左)とQuest 3
Photo: 武者良太

128GBで4万8400円なのに、VRもMRもマルチにいけるMeta Quest 3Sというリーズナブルなモデルが登場するわけですが、Meta Quest 3も併売されます。3の128GBモデルは6万9300円。パンケーキレンズのクリアな視界も魅力ですけど、こちらは在庫がなくなり次第、終売となります。そして最近ずっと128GBモデルは売り切れが続いています。海外流通の在庫がまわり巡ってこないと、もう日本では買えないかもなあ。

でも、クリア&クリーンな視界が欲しいなら、8万1400円のMeta Quest 3 512GBモデルを選ぶという手もあります。Meta Quest 3Sが登場しても、Meta Quest 3の魅力はなくなりません。ミラーレス一眼のためにいいレンズ、グレードの高いレンズが欲しいと願う皆さまなら、価格差が視界の差となることをご理解いただけるのではないでしょうか。

そして、そこまでクリア視界にこだわりがないなら、Meta Quest 3Sはマジでおすすめ。今後増え続けるとみられるMRアプリが5万円以下で使えるメリットは大きいですよ。

Source: Meta

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