メジャー挑戦を表明した巨人のエース・菅野智之(時事通信フォト)

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 阿部慎之助・監督のもとで4年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた巨人だが、クライマックスシリーズを前にエース・菅野智之(34)が今オフに2021年に取得した海外FA権を行使してメジャーに挑戦することを表明した。東海大相模・東海大出身の菅野の海外移籍が浮上したことが、関係者の注目を集めている。

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 4年前、原辰徳監督時代の2020年オフにも、菅野はポスティングシステムでのメジャー移籍を目指したが、当時はコロナ禍の影響もあって残留の道を選んだ。その後、一時は成績が低迷したが、今季は15勝3敗の成績をあげた。貯金12を稼いで4年ぶりのリーグ優勝に貢献すると、再びメジャー挑戦を口にした状況だ。そのことについてスポーツ紙デスクは「菅野、お前もか……という感じです」と口にする。

「全権監督だった原監督が退任以降、巨人の東海大・東海大相模離れが急速に進んでいる。NPBでは第一次戦力外通達が各球団で行なわれているが、巨人では2021年のドラフト4位の石田隼都(21)が戦力外となった。石田は2021年の選抜優勝時の東海大相模のエース。高校卒業後、原辰徳監督時代に入団した選手です。また、大学は八戸学院大だが、東海大菅生出身で2018年ドラフト1位入団の高橋優貴(27)、東海大海洋学部から育成で入団した加藤廉(25)も戦力外となりました」

大城のFA移籍の可能性も

 原氏の退任後は、コーチ陣にも動きがあった。

「2022年オフ、当時の原監督が東海大の3年先輩である石井昭男氏をコーチに招聘したが、翌年に原監督の退任、阿部新監督の就任が発表されると、その6日後に1年限りでの退団となった。

 現体制では、二軍ヘッドの安藤強氏が元東海大学野球部監督です。2020年12月に部員の大麻使用が発覚して引責辞任したが、その後に巨人で社長付編成アドバイザーとして採用され、1年後にプロ野球の選手、コーチ経験がないなかで異例の三軍総合コーチに就任して話題になった。原監督の推薦があったとされるが、このオフの去就が注目されている」(前出・スポーツ紙デスク)

 菅野が抜ければ、巨人のレギュラークラスで東海大相模・東海大出身者は、山崎伊織(26)、中川皓太(30)、大城卓三(31)となる。在京球団編成担当者が言う。

「大城は今年9月に国内FA権を取得している。大城は打てる捕手として原監督に買われ、2023年シーズンに125試合で先発マスクをかぶった。ところが、阿部監督はキャッチャーで岸田行倫(28)、小林誠司(35)、大城を併用。小林を菅野の専属で使い、あとは72試合で先発マスクとなった岸田を中心に起用した。大城は戸郷を中心にマスクをかぶったが34試合で、小林の36試合より少なかった。

 強肩の大城は捕手というポジションにこだわっているが、捕手出身の阿部監督は大城を正捕手としては見ていない。サードの坂本勇人(35)が欠場した時に岡本和真(28)の代役としてファーストを守らせるための補充要員の位置づけ。今年のFA市場は中日の木下拓也(32)、ソフトバンクの甲斐拓也(31)、阪神の坂本誠志郎(30)と捕手が大きく動く可能性があるため、正捕手を目指して大城がFA宣言する可能性も少なくない。そうなれば東海大出身者がまたひとり欠けることになる」

阿部監督の母校・中央大は重用されるか

 2023年のドラフト1位は阿部監督の母校・中央大学出身の西舘勇陽(22)だった。コーチ陣では外野守備兼走塁コーチの亀井善行が中央大OBだ。中央大派閥が幅を利かすのだろうか。別のスポーツ紙デスクが言う。

「阿部監督が就任するタイミングで中央大出身の鍬原拓也(2017年ドラフト1位=28)と鍵谷陽平(34)を戦力外にしている。阿部監督の頭の中には学閥などないのではないか。もし今年も原監督だったらDeNAを戦力外となった2008年巨人のドラフト1位で東海大相模出身の大田泰示(34)の獲得に動いていたともいわれていますが……」