Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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10月に入り、今月も食品や電気代など、私たちの身の回りのものが値上がりします。値上がりの中には、正月の風物詩 年賀状も含まれています。

「値上げラッシュの月」ともいわれる2024年の10月。民間の調査会社帝国データバンクによりますと、食品の値上げは、大手195社の合計で2911品目と1年ぶりに1000品目を超え、2024年一番の多さとなりました。品目では酒類・飲料が最多で菓子については、半数がチョコ関連となっています。また、10月の電気・ガス料金も、政府による補助金縮小により全国的に値上げとなりました。中部電力ミライズと静岡ガスによりますと、一般的な家庭での1か月あたりの料金では電気料金が400円程、ガス料金が200円程値上げとなります。そして、値上げの波は公共交通機関にも…。

(辻本 真生 記者)
「静鉄バスですが、10月から運賃が改定されたということです」

静岡市などで路線バスを運行する「しずてつジャストライン」は、運転手不足に伴う賃上げや物価高に伴う燃料費の高騰もあり、安定的な路線バス事業を継続するため10月から運賃を改定。初乗り運賃は、一部区間を除き片道200円となり、平均で16.8%値上げしました。

(バスの利用客)
「(バスに乗って)ちょっと病院 に行くので、それで3か月に 一回くらいしか利用しない」「(値上げは)しょうがないよね」

(バスの利用客)
「私は定期券で通勤しているので、それほどは困っていないが、ま た新しく定期券を作るときに値 段が高くなるのは嫌だなと。値 上がり値上がりばっかりで、給 料は全然上がらずにですね、ち ょっと困っちゃう」

「しずてつジャストライン」によりますと、運賃改定は1997年6月以来で約27年ぶりだということです。相次ぐ値上げに町の人は…。

(街の人)
「やっぱり油とかを買ったときに前と値段違ったり、お米もすごい高くなったなとは感じる。ただ、今、子供が外に出ているので、あまり食料品をたくさん買うことがないので、できるだけあるもので間に合わせるようにしている」

(街の人)
「月末、自分の家計簿とかを見るとあれ、食費が10%近く上がっているのかなというのを、その場その場だとわからないが、気づいたときに『あっ』て思う」

ありとあらゆる物の値段が上がる中、ついには郵便料金も値上げに。

(勝俣 宜彦 記者)
「これまで郵便局で取り扱ってい た63円のはがきですが、10 月からは85円と22円値上が りしました」

静岡中央中便局によりますと、これまで、消費税が増税された都度、消費税分の値上げはされていたということですが…。

10月から、はがきが63円から85円に。封筒は重量区分を統合して一律50gまでとなり、84円・94円だったのが110円に値上がりました。全体の値上げ率の平均は約3割。これほど大きく値上げしたのは1994年以来 約30年ぶりのことだといいます。

(静岡中央郵便局 郵便部 石上雅文 部長)
「昨今のデジタル化の進展などにより、郵便部数は2001年度をピークに大きく減少しています。そういった中で、人件費、燃料費などの上昇、営業費用の増加等が見込まれる中ですね、引き続き今後とも郵便サービスの安定的な提供を維持していくために、郵便料金の引き上げを今回お願いせざるをえない状況というところでございます」

この値上げで懸念されるのが「年賀状離れ」です。年賀はがきを出す場合、例えば、100枚購入すると1枚あたり22円値上げとなったことから、これまでよりも2200円出費がかさむことになります。

(街の人)
「ことしの年賀状は枚数少なくなります」
Q.値段は?
「気になりますね。今まで100通出していたのが7、80に減らさないとかなと思ったりしますね」

(街の人)
Q.年賀状は送る?
「今までちょっと送っていたりはしたが、ここまで上がってくると、メールとかラインとかで済ませるでもいのかなと感じている部分はある」

「年賀状離れ」の加速に歯止めをかけようと、日本郵便は新商品を発表。コンビニエンスストアなどで使えるデジタルギフトや、食品などを受け取れる2次元コード付きの年賀はがきを11月から新たに発売します。

(日本郵便郵便 物流営業部 担当者)
「(年賀状の配達数が)年々減少していることは事実」「現状維持だけではなく、常に新しい挑戦というか新しい価値を考えていくことは必要だと思っている」

「年賀状離れ」の懸念は、印刷サービスを提供する会社にも広がっています。

(アーツ 黒木 伸治 社長)
「場合によっては(受注が)半減する可能性もあるかもしれない」

この会社では、年賀状などの印刷サービスが売り上げの約6割を占め、リピート客については、早めの予約といった条件で最大7割引きとするなど、何とか顧客をつなぎとめようとしていますが…。

(アーツ 黒木 伸治 社長)
「おそらく、あと5年もすれば、ほとんど年賀状の市場はなくなるのではないかと考えているので、代替事業を頑張って育成している」

一方で、売り上げを伸ばした商品もあります。それが…「年賀状じまい」を伝えるスタンプ。この会社は、2023年、試しにスタンプのネット販売を始めたましたが、予想を大きく上回る約1000個を売り上げ、2024年は、2種類から6種類に増やしたと言います。

(タイヨートマー 松下 幾三 社長)
「商売上はありがたいが、ずっと続くわけではないので、一時的なものだと思っている」

値上げの波は、日本の風物詩にも影響を与えています。