ソシエダの久保建英【写真:徳原隆元】

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スペインで最多出場記録を更新した久保建英

 スペイン1部レアル・ソシエダは、今シーズン開幕7試合で1勝2分4敗とスタートダッシュに失敗した。

 それでも9月28日に行われた第8節のバレンシア戦では、前半8分に先制点を決め、チームを3-0の勝利に導いた。スペインメディア「Estadio Deportivo」は、この試合で新たな歴史を刻んだ日本人MFについての特集を組み、「久保が選ばれし者だ」との見出しで伝えている。

 今シーズン、ソシエダはここまでリーグ戦2勝だが、この2試合には共通点がある。いずれの試合でも久保がゴールを決めたことだ。「Estadio Deportivo」は、「だからこそ、アルグアシル・イマノル監督は日本人選手に賭けている」と伝え、指揮官が久保によりチームを引っ張ることを期待しているとした。

「シーズン序盤はミケル・オヤルザバルへの期待が高かったが、久保建英はレアル・ソシエダの攻撃を引っ張る存在に選ばれた。キャプテン(オヤルサバル)のシーズンスタートは(負傷で)悲惨なものとなり、ソシエダは久保に状況を変えることを期待している。この日本人はソシエダが勝利した2試合で得点を挙げており、イマノル監督のお守りになっている。データは嘘をつかないし、久保はチームにとって最も信頼できるオプションになっている」と、記事では久保の重要性を伝えている。

 久保はバレンシア戦後に、得点を決めた試合で勝っていることについて問われ、「すべての試合でそうなるといい。データが、僕が得点をした時にチームが負けないと示しているのであれば、僕はすべての試合で点を取らないといけませんよね?」と、自身のゴールを増やすことに意欲を見せたという。

 まだ23歳の久保だが、このバレンシア戦に出場したことで、スペイン1部リーグでの合計出場試合数を167とした。この試合まで166試合で現清水エスパルスの元日本代表MF乾貴士と並んでいたが、単独トップの数字となった。記事では「久保のラ・リーガでのキャリアは始まったばかりだが、この数年間でスペインサッカー界を代表するビッグネームの一人になる見込みだ。イマノル監督はそれを知っているからこそ、日本人選手にもう1歩前進してほしいと要求するのだ」と、締めくくっている。

 シーズン初ゴールを挙げたエスパニョール戦ではベンチスタートになるなど、チームとともに苦しい時期を過ごした久保だが、ここからチームとともに上昇気流に乗れるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)