ホテルのシェルターに避難する宿泊客ら(1日、エルサレムで)=笹子美奈子撮影

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 イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は1日夜(現地時間)、国営テレビを通じ、イスラエルに数十発の弾道ミサイルを発射したと発表した。

 イスラエルが反撃すれば、さらに破壊的な攻撃を受けると警告した。イスラエル側では住民がシェルターに避難し、爆発音が聞こえた。被害状況など詳細は不明だ。

 声明によると、攻撃は7月31日に首都テヘランでイスラム主義組織ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏が殺害されたことと、9月27日のレバノンへの空爆でイスラム教シーア派組織ヒズボラ指導者のハッサン・ナスララ師、革命防衛隊のアッバス・ニルフルシャン准将が殺害されたことに対する報復としている。

 声明は、イスラエルの軍事・安全保障上の重要な標的を攻撃したとしている。革命防衛隊に近いファルス通信は、80%のミサイルが命中したと報じたが、真偽は不明だ。

 イスラエル軍報道官は、ミサイルが向かっているとの声明を発表し、国民に防護されたスペースに避難するよう呼びかけた。約1時間後には状況評価の結果として、解除した。ロイター通信は、ミサイルの一部がヨルダン上空で迎撃されたと伝えた。

 これに先立ち米政府やイスラエル軍は、イランが直ちに弾道ミサイルを発射する兆候があるとしていた。(テヘラン支局 吉形祐司、エルサレム 笹子美奈子)