10月1日に発足する石破新内閣。元女優の三原じゅん子参院議員(60)が。こども政策担当相として初入閣する方向だ。その三原氏は今春話題となったドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)で実名が登場し、その思いを「週刊文春」上で明かしていた。当時の記事を全文再公開する。(初出は週刊文春2024年3月28日号。年齢、肩書は当時のまま)

【貴重写真】16歳の頃の三原じゅん子氏


三原じゅん子氏 ©文藝春秋

市郎「三原じゅん子が国会議員になってた」

純子「はい、ウソだね〜なわけないじゃん! ウチらの憧れ、アバズレの祖先・山田麗子だよ? 『顔やばいよ、ボディやんな』の山田麗子が政治家? ありえない!」

市郎「欽ちゃん82歳、78の時、大学中退してた」

純子「もうやめて! 時空が! 時空が歪んでる!」

 2024年の令和にタイムスリップした市郎は、1986年の昭和に生きる純子に、そんな“ありえない未来”を伝えていた。

 昭和の有名人がたびたび“実名登場”する『不適切』。令和ではコンプラ的にアウトな歌詞として、おニャン子クラブの『セーラー服を脱がさないで』が登場していた。更に、第8話(3月15日)では、こんなサプライズ出演も。

「劇中の喫茶店に飾られているポスターで登場していた小泉今日子が、本人役で登場しました。クドカンとは、朝ドラ『あまちゃん』などでタッグを組んでいる仲。その縁で実現したのでしょう」(TBS関係者)

 では、“実名登場”した本人はどう受け止めているのか。冒頭は第6話(3月1日)のやり取りだが、萩本欽一(82)に尋ねると、

「僕、インターネットも見ないし、全然ドラマで取り上げられたことは知らなかった。でも、事務所の若いスタッフが『話題になってます』って。『え、悪いことじゃないよね?』と聞いたら、そうじゃないんだってね。あの頃、『欽どこ』を観てた人は、まさか僕が70過ぎて大学に入って、78で中退するとは思わない(笑)。けど、だから人生って面白いの」

 一方、第5話(2月23日)の放送中、自身のX(旧Twitter)に、

〈ん?…私が出てきた!笑〉

 とリアルタイム投稿したのは、三原じゅん子参院議員(59)。第5話では市郎が初めて三原氏の「現在」を知り、「嘘だー。『セクシー・ナイト』だよ?」と彼女の往年のヒット曲を出して驚愕していたが、それに反応したのだ。

 続く第6話では冒頭のように、不良女子高生で同じ「じゅんこ」の名を持つ娘にその事実を伝え、「ありえない!」と返されてしまう。そりゃそうだ、『3年B組金八先生』の山田麗子と言えば、不良少女の代名詞だったのだから。

「ドラマは見ている?」三原氏に尋ねると...

 果たして、三原氏の胸中や如何に? 本人に聞いた。

――ドラマは見ている?

「欠かさず見ていますよ。面白い作品ですよね〜。阿部サダヲさんも大好きな役者さんですが、クドカンさんの脚本に今の時代へのメッセージ性を感じます。昭和を思いっ切り生きた人たちにはもちろん、今の若いZ世代にも響くところがあるんじゃないでしょうか」

――昭和と令和の対比を感じた印象的な部分は?

「学校のシーンかな。私たちの時代は昭和どっぷり、根性論だったから、それこそ、ドラマみたいに野球部は“ケツバット”が当たり前。でも、今の子には考えられないと思いますね」

三原氏が明かしたクドカンとの“共演歴”

――市郎が「三原じゅん子が国会議員になっている!」と驚いたシーンは?

「不良少女だった子が国会議員になっているギャップが面白いですしね。『純子ちゃん』という不良少女が出てきて、制服のスカート丈や髪型を見て『ああ、少しイメージが近いのかな』と思ってはいて(笑)。可愛いな〜と見ていたら、自分の名前が出てきて、あ!って。山田麗子も元祖ツッパリだったし、純子ちゃんと通ずるものがありますね」

――「私が出てきた!」と。

「アハハハ! いやいや、だって作品が素晴らしいですしね。国会議員でも見てる人は多いんですよ。私も一視聴者として『三原じゅん子って、あぁ、なるほどな』っていう感じで面白かった。実は、宮藤さんはね、昔に共演したことがあるんですよ。NHKの『マッチポイント』というバレーボールのドラマ。ただ、大人しい方で、そんなに話す機会はなかったかなぁ。でも、昭和という時代の象徴として、三原じゅん子を取り上げて下さったことは率直に嬉しいですね。光栄です」

――当時、ご自身は、国会議員になるとは想像……?

「してないですよね、感想は純子ちゃんと一緒。だからドラマも人生も面白いんですけど。まっっったく想像もしていなかったです(笑)」

 欽ちゃんも三原氏も口を揃えた。未来は想像もつかないから、人生は面白い!

 「週刊文春電子版」では、衆議院解散時の「全選挙区当落予測リスト」など記事を配信中だ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年3月28日号)