伊丹十三賞を受賞したのんさん(中央)と選考委員=東京・六本木、池田晶紀さん撮影

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 【愛媛】俳優、エッセイスト、映画監督など、幅広い分野で活躍した伊丹十三(1933〜97)を記念する伊丹十三賞の第16回受賞者に選ばれた俳優、のんさんへの贈呈式がこのほど、東京・六本木であった。

 のんさんは1993年生まれ。2013年、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインを演じて脚光を浴びた。16年、劇場アニメ「この世界の片隅に」で主人公すずの声を演じ、第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞を受賞した。22年には自身が脚本、監督、主演の映画作品「Ribbon」を公開、主演映画「さかなのこ」で第46回日本アカデミー賞「優秀主演女優賞」を受けた。俳優、音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動している。

 選考委員会は「俳優、ミュージシャン、映画監督、アーティスト……困難を乗りこえ自由な表現に挑み続ける創作活動にたいして」同賞を贈ったとしている。

 贈呈式は6日にあった。のんさんは「偉大な映画監督でありものすごい役者であり『あまちゃん』で共演させていただいた宮本信子さんの旦那さまであり……そんな憧れの存在の伊丹十三さんのお名前がついた賞をもらえるなんて夢のようです。今まで自分のやりたいことを曲げずに無我夢中でやってきました。改めて、貫いていくべきなんだ。ということが胸にすとんと落ちてきて、すさまじい勇気をもらえました」などとコメントしている。

 公益財団法人のITM伊丹記念財団(松山市)が主催する同賞は、伊丹が才能を発揮した分野で活躍した人に贈られる。これまでに映画監督の是枝裕和さん、歴史家の磯田道史さん、タレントの清水ミチコさん、俳優で歌手の星野源さん、脚本家の三谷幸喜さんらが受賞している。(吉沢龍彦)