ヒズボラ指導者、通信機器爆発は「宣戦布告」 イスラエルを非難

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[ベイルート/エルサレム 19日 ロイター] - レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は19日、過去2日間に発生した通信機器の一斉爆発について、イスラエルによる「宣戦布告」とみなされると主張し、「敵は全てのレッドライン(超えてはならない一線)を超えた」と非難した。

レバノン各地では17、18日の両日、ヒズボラ戦闘員が使用していたポケットベルやトランシーバーが一斉爆発。17日の爆発では12人が死亡、3000人近くが負傷し、18日にも20人が死亡、450人以上が負傷した。

レバノン治安筋などは、イスラエルの情報機関モサドの仕業としているが、イスラエル政府当局者は爆発についてコメントしていない。

ナスララ師はテレビ演説で「敵は全ての統制、法律、道徳を超えた」とし、「今回の攻撃は戦争犯罪、あるいは宣戦布告と見なされる可能性がある」と非難した。

ヒズボラおよびレバノン史上で前例のない「安全保障上および軍事上の大きな打撃を受けたことに疑いの余地はない」とし、「こうした殺人、犯罪は世界でも前例はないだろう」とも述べた。

ナスララ師の放送が流れると、イスラエル軍の戦闘機がベイルート上空を飛び、音声をかき消すほどの衝撃音が一帯を揺るがした。こうした事態はここ数カ月に頻発するようになったが、全面衝突の危険性が着実に高まるにつれ、より大きな意味を持つようになっている。

イスラエル軍は19日、18日夜から19日にかけてレバノン南部の複数の標的を戦闘機などが攻撃したと発表した。

イスラエルのガラント国防相は19日、イスラエルはヒズボラに対する軍事行動を継続すると述べた。

こうした動きに対し、パリで演説したブリンケン米国務長官は自制を促し、ガザ停戦合意をさらに困難にするようないかなる行動も控えるよう呼びかけた。

これとは別に、イラン革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官は19日、ヒズボラのナスララ師に対し、イスラエルは「抵抗の枢軸からの圧倒的な反撃」に直面するだろうと語った。国営メディアが報じた。

報道によるとサラミ氏は、ナスララ氏へのメッセージで「このようなテロ行為は、間違いなくシオニスト政権(イスラエル)による絶望と相次ぐ失敗の結果だ。間もなく抵抗の枢軸からの圧倒的な反撃に遭い、われわれはこの血に飢えた犯罪政権の崩壊を目撃することになるだろう」と述べた。

抵抗の枢軸とは、ヒズボラのほか、イエメンの親イラン武装組織フーシ派やイラクの親イラン系武装組織「人民動員隊(PMF)」などの武装集団を指す。