「五輪がいかに重要か」豪ブレイキン女子の“0点パフォ”に批判は止まず 国内ダンサーが怒りの主張「文化を弄んでいる」

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五輪で胸を張って、精いっぱいのダンスを披露したガン。(C)Getty Images

 大会終了後も議論は続いている。パリ五輪の女子ブレイキンに出場したオーストラリア代表のレイチェル・ガン(ダンサー名:Raygun)のパフォーマンスだ。

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 本人曰く「創造性が何より大事だった」とデザインされたものだったが、身体をクネクネとさせ、ぎこちない足の運びやカンガルーのジェスチャーを織り交ぜた独創的すぎるダンスの評価は高まらず。そして1次リーグ3試合でゼロポイントという散々な内容で敗退。

 ライバルとの差が色濃く出てしまった結果を受け、ガンの下には、母国を含めて嘲笑と批判の声が集中。代表選出を疑問視した一部の視聴者が5万人を超える署名が入った請願書を作成し、政府に提出される異例の展開にもなった。

 無論、誹謗中傷は言語道断。それに関しては「ただベストを尽くしたか、それが私たちが求めていたすべて」(アンソニー・アルバニージー豪首相)とガンを擁護する意見も相次いでいる。一方で、やはり彼女のパフォーマンスレベルが五輪という大舞台にふさわしいものだったのかは議論が続いている。

 オーストラリアの公共放送局『ABC』の取材に応じたニューヨーク出身で、現在はオーストラリアを拠点に活動しているブレイキンダンサーのマリク・ディクソンは「彼女のダンスは正直に言えば、文化をもてあそんでいるだけのように見えた」と指摘。あのパフォーマンスがブレイキン界に与えた影響を論じている。

「ブレイキンという競技がオリンピック初出場という事実が、文化的にどれほど重要なことなのかをわかっていない。彼女はヒップホップそのものと、ヒップホップの要素のひとつであるブレイクダンスを本当に大切にしている人間にとって、オリンピックという機会がどれほど重要なものであったかを理解しようとしてなかった」

 ガン自身が「違っていることを恐れないで」と披露した渾身のダンスは、予期せぬ方向が波紋を広げ、論争を巻き起こし続けている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]