パリ五輪の選手村の様子【写真:ロイター】

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ESPNが伝える「選手村から去る選手」の理由とは

 パリ五輪の開幕以降、選手村から“脱落”してホテルなどに滞在先を変更する選手が相次いでいる。空調がないなどの設備的な不備や食事不足という理由のほかに、パリの劣悪な交通事情もそれに拍車をかけているという。米スポーツ専門局「ESPN」が「選手村から去る選手と残る選手がいる理由」という記事で、現状をレポートしている。

 記事が「1つの不満は交通の問題」として取り上げたのが、パリ市内の劣悪な交通事情だ。「大会組織委員会は、メディアやファンに市内の公共交通機関を利用するよう強く呼びかけているが、選手はチャーターされたバスで競技会場まで移動している」と紹介。そのバス移動がうまくいかないことがあるのだという。

 伝えられているのは、水泳の会場がパリの西側にあり、移動トラブルが原因で選手村を出た韓国の6人の水泳選手のケースだ。会場から徒歩5分のホテルに移動したのだという。記事はコリアタイムズの報道を引用し、キム・ウミンが「バスにエアコンがなく、窓がテープでとめられて開かないようになっていた」と訴えたと伝えている。さらに、移動バスの1台が軽い事故を起こしたことがあり「運転手が角を曲がりそこね、道路で時間が無駄になった」との不満を口にしたともいう。

 一方で、選手村で得られる経験を重視する選手もおり、米国の女子テニスチームで唯一選手村に残ったココ・ガウフの「他の選手と話したり、彼らのメンタリティを見たりすることで、ちょっとしたことがわかるの」というコメントを伝えている。ガウフは体操選手のスニサ・リーやシモーネ・バイルズとの会話から「彼女は史上最高(GOAT)なのに、少し緊張していると言っていた。彼女たちは多分優勝するんだろうけど、それでも緊張しているんだ。緊張してもいいんだと学んだわ」というヒントを得たという。

(THE ANSWER編集部)