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インドネシアの固有種であり、かなり大型の爬虫類「コモドドラゴン」。「現代に生きる恐竜」なんて比喩されることもあるこのトカゲですが、新たな研究によって、歯の先端が鉄で覆われていることが判明。想像以上に殺傷能力が高いことがわかったんです。

IFLSが伝えました。

金属で覆われているオレンジ色の歯

7月24日にオンラインジャーナル「Nature Ecology & Evolution」で発表された新たな研究によると、コモドドラゴンの歯の先端やギザギザとノコギリ状になった部分は、鉄が多く含まれた薄いコーティングで覆われているそうです。

これにより、哺乳類よりもはるかに薄いコーティングであるにもかかわらず、獲物を引き裂く能力が維持されているみたい。

コモドドラゴンがスイギュウやシカの肉を豪快に引き裂いて食べる動画がありますが、それを可能にしている要素の1つに「金属コーティングの歯」があったわけですね。

歯に鉄が含まれるのは珍しくない

ただ、歯に鉄が含まれていること自体は、珍しいわけではないのです。

鉄の濃度が低いだけで他の爬虫類にもよく見られる特徴ですし、齧歯類、特にビーバーは鉄で覆われた頑丈な歯を持っています(チェーンソーなみに木を切り倒しますよね)。

コモドドラゴンのその他の能力とは

今回新たに「鉄コーディング歯」の存在が明らかになったコモドドラゴンですが、他にもすごい能力が備わっているんです。

・人間よりでかい。全長2〜3m

・泳ぎが得意。潜水も得意

・好き嫌いが少ない(エサは昆虫、鳥類、爬虫類、哺乳類、死骸もオッケー)

・持久力高い(繁殖期のオスはメスをめぐって1時間くらい戦える)

・毒あり

特筆すべきは「毒」の存在です。以前は「コモドドラゴンの口はバイキンだらけで、噛まれた動物は敗血症を発症して死ぬ」と考えられていたのですが、2009年にメルボルン大学の研究によって「毒」があると判明したのです。

不潔説が唱えられていたのに、実は不潔じゃなくて能力だった、みたいなことなので、結構大事な事実として押さえておきたいです。

日本でコモドドラゴンって見られるの? 

日本でも会えます。というか、会えるようになります。

場所は名古屋の東山動植物園。7月18日にシンガポールから日本にやってきました。新しい施設に馴れるのを待って、8月下旬から一般公開予定。国内では唯一の展示になります。

コモドドラゴンは生息数が減少傾向にあり、野生でも約3,000頭しかいません。生息地のコモド島では、2021年にコモドドラゴン保護のために島を1年間閉鎖すると発表(その後に撤回)したほどなので、日本で会えるのはうれしいこと。機会があったらぜひ東山動植物園に行って、歯の色をチェックしてみてほしいです。

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Source: IFLS