19日、東京ドームで泉口の打撃練習を見守る矢野コーチ(右)

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 巨人の矢野謙次打撃コーチ(43)が26日、スポーツ報知のインタビューに応じた。米国にコーチ留学した経験も踏まえ、ヘルナンデスが日本に順応した要因を分析。成長の兆しを見せる若手に「楽しみしかない」と後半戦からの躍進を期待した。(取材・構成=内田 拓希、宮内孝太)

 ―ここまで貯金1。チームの現状をどう見ている。

 「バッテリーが頑張っていて、打撃は申し訳ないですけど、持っている力を出せてない。誰が見てもそうだと思います」

 ―ヘルナンデスが救世主に。順応できた要因は。

 「日本で活躍したいという思いがすごくある。メジャーでバリバリやっていた選手ではないから、日本で一旗揚げたい、何とか日本にアジャストしたいという気持ちを感じます。バットを振り回さないのもいいところです」

 ―日米の野球の違いについて助言をしたと。

 「カウントが行き詰まると米国は直球を投げる傾向があるけど、日本は変化球を投げてきます。来日初ホームランを打った試合(5月30日のソフトバンク戦)の練習で『ここまで2試合出て、直球が4球しかこない。それがジャパニーズ野球』と言う話をして。それが結果につながったかは分かりませんが、カウント3―2からシンカーをうまく打ってくれました」

 ―日本ハム時代の19年に米・レンジャーズへコーチ留学も経験。当時は選手にどんなアプローチを。

 「2Aまでは日本以上にきっちり『これをやろう、声かけはこう』と指導して3A、メジャーになったら細かくは言わないです。基礎ができていてそこにいるわけだから。コーチは聞かれた時に答えられる準備をしておくという感じです」

 ―巨人の1軍選手には3A以上に近い指導法を実践しているか。

 「レギュラーにはそうですけど、経験がない選手は違います。日本と米国では(選手の)分母が違うから、1軍の選手でもまずはちゃんとやっていかないといけないですね」

 ―若手の成長、姿勢の変化を感じるところは。

 「デーゲームも早出の打撃練習をしていますが、最初に『もう少し打撃したいんですけど、全体練習の前に打てませんかね?』と言い出したのは萩尾です。門脇、ジョージ(佐々木)、泉口も足りないところを埋めようと、必死に課題を改善する兆候が出てきている。今後はある意味、周りの言うことを無視する面があってもいい。野球選手は個人事業主だから『俺はこういうやり方』という色を出してもいいと思っています」

 ―阿部監督は「球宴後が勝負」と。

 「足りないところを埋めて(シーズンの)半分くらいまでに上がってくれれば。1年間、やったことない選手ばかりですから。みんな成長しています。楽しみしかないです」